みなさんは子どもの頃、街の橋や鉄塔を見て「大きな楽器みたい」「大きな人間みたい」と空想したことありませんか?
今回は、たくさんのケーブル線によってまるで大きなハープのように見えるニューヨークのブルックリンブリッジを本当にハープにしちゃったプロジェクト「The Human Harp」をご紹介します。
ブルクッリンブリッジのようなケーブル線が設置されている橋は、実は風によって自然と音を奏でているそうです。そういった意味でも、ブルックリンブリッジはもともと巨大な楽器であるといえるかもしれません。しかし、残念ながら橋が奏でるその音は私たち人間の耳では聞くことができません。
「The Human Harp」では、その自然の音楽を利用します。方法はとってもユニーク。なんと人間と一体となって美しい音を生み出すのです!まずはこちらの映像を御覧ください。
パフォーマーは数カ所に橋とつながるためのコードがついたハーネスを身にまといます。そのコードをさすったり引っ張ったりすることで音のピッチやボリュームが変化し、美しい音の波を奏でます。パフォーマーの滑らかな動きとそれにそって橋から生まれる音楽は、とても神秘的な感じがしますね。
2012年にスタートし、2年をかけてワークショップなどを開催中。今後は、パフォーミングアートとしてだけでなく、通行人や子供がケーブルを引っ張ったり弾いたりすることで音を楽しむといった、みんなが演奏家になれるスタイルも模索していくそうです。
公共物である橋から生まれたインスピレーションを現実化したアイデアもさることながら、ニューヨークのシンボルであるブルックリンブリッジをハープにしちゃうこのプロジェクトにGOサインを出したニューヨーク市の計らいもとっても素敵です。
みなさんの街でも、例えば大きな人間のように見える鉄塔に顔をつけて洋服を着せてもっと人間っぽくしてみると…?そんな空想が実現したら街の風景がもっと楽しくなりそうでわくわくしますね!
まちから生まれたあなたのインスピレーション、ぜひみなさんとシェアしてみてはいかがでしょうか?
(Text: 恩田ひとみ)
(via inhabitat)