Photo by Flash Munki
歌や踊りをきっかけに哲学に触れる。そんな機会があったら、ふらっと立ち寄ってみたくなりませんか?
今回ご紹介するのは、音楽やコメディー、ショートフィルムなど、さまざまなエンターテインメントと哲学を掛け合わせ、議論や意見交換を楽しめる空間をつくり出しているイベント「HowTheLightGetsIn」です。
古本の聖地として有名な街、ヘイ・オン・ワイ Some rights reserved by Nufkin
古本の聖地として世界的に知られるウェールズの街、Hay-on-Wye(以下、ヘイ・オン・ワイ)の一角を会場として、5月から6月にかけて開催されるこのイベント。約10日間にわたって、哲学的なトピックについてのディスカッションと音楽のパフォーマンスとが融合したプログラムが展開されます。
Photo by HowTheLightGetsIn facebook page
基本的に朝から夕方にかけては、学者や政治家などによる様々な哲学的なテーマについての講演や、参加者を交えたディスカッションが中心です。
こうした“哲学セッション”は、1コマあたり90分。「なぜ私は私なのか」といういかにも哲学らしいトピックから、科学的な「記憶することと忘れることについて」という話題まで、セッションのテーマは多岐にわたります。
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参加は1コマごとのチケット制のため、フリータイムになると、会場内の芝生やベンチでそれぞれ思い思いに時間を過ごす参加者の姿が見られます。
身体や心の働きが男性と女性とでどのように違っているかについてのセッションを振り返りながら、ワイン片手に談笑するグループ。環境破壊は犯罪なのかについてのディスカッションが始まるまで、脚を組んで本を読みながら待っている男性。
哲学の堅苦しいイメージはまるで感じられない、リラックスした光景です。
Photo by Flash Munki
夜の“ライブセッション”になると、日中哲学的なトピックに思考を働かせた参加者たちのテンションは一気に上昇!頭の疲れを発散するかのように歌やダンスで盛り上がります。
Photo by HowTheLightGetsIn facebook page
一般的にはあまり関係がないように思える哲学と音楽。この「HowTheLightGetsIn」ではどうして同じ空間で展開することが考えられたのでしょうか。ファウンダーである哲学者のHilary Lawson(ヒラリー・ローソン)さんはこう語ります。
アイデアについて話す場は、“スピーカーがすべて”の講演会のようになってしまいがちです。でも音楽は、そういう雰囲気を和らげてくれるのです。もしかしたら、一番充実した会話が行われているのはダンスホールかもしれませんよ。
Photo by HowTheLightGetsIn facebook page
人生や世界についてのディープな哲学的トピックでも、音楽のあるくだけた空気の漂う空間だからこそ感じられるインスピレーションがあるのかもしれませんね。エンターテインメントを入口として哲学に親しめるこんなイベント、あなたの街でもいかがですか?
(Text: 松本優真)
[via: iai, HuffingtonPostUK]