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電気を自給自足してみた!ミニ太陽光発電システムから始める、小さな暮らし

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わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。

先日ご紹介した、ミニ太陽光発電システムをつくるワークショップ。「電気って自分でつくれるんだ!」という気づきを持ち帰って、早速、自宅で実際に使ってみることに。

ところが、一旦外したケーブルをつなぐことさえ不安…。家電の消費電力ってどのくらい…?今回はそんな理系オンチな私が挑戦する、ミニ太陽光発電システムの実践レポートをお届けします。

“消費電力”なんて、考えたことがなかった

まずは、持ち帰ったミニ太陽光発電システムの組み立てから。あれ?何をどうつなぐんだっけ…。ワークショップ中に取ったメモを見返して、黒はマイナス、赤はプラスと復習。ちょっと怖いので、インターネットでも検索して確認。これさえ分かれば、あとは簡単、つなぐだけです。

おそるおそる…接続完了!終わってしまえば簡単、つなぐだけ おそるおそる…接続完了!終わってしまえば簡単、つなぐだけ

充電がされていることを告げる「charge」ボタンが点灯すると、さぁこれで電気をつくるぞ、とモチベーションもアップ!初めに考えたのは、せっかく電気をつくる装置を手に入れたのだから、この夏のエアコン消費に充てたいということ。このシステムの発電量と、エアコンの消費電力を調べてみると…、残念ですが、エアコンにはまったく手が届かないことがわかりました。

それで、他の家電の消費電力も気になるように。そういえば、一人暮らしを始めたばかりのアパートで10Aの契約だったときは、トースターを使うとブレーカーが落ちてしまった経験が…。

まずは、今回持ち帰った「ミニ太陽光発電システム」の復習ですが、
・ソーラーパネル 50W
・バッテリー 20Wh/5Hr
といった内容で、一日の発電量はだいたい200Whくらい。

次に、家電の消費電力(W)と実際の使用可能時間を調べてみると、おおよそ以下のようなイメージ。

※容量27Ah/5Hrを満充電した状態で ※太陽光で発電しながらの場合、晴天の場合、40W程度までは使い続けることが可能 ※容量27Ah/5Hrを満充電した状態で
※太陽光で発電しながらの場合、晴天の場合、40W程度までは使い続けることが可能

エアコンにつないでみようなんて、すっかり欲張ってしまいましたが、“ミニ”太陽光発電ですし、停電で電気がまったく使えないことを想定すると、携帯電話の充電ができるだけでも十分。電気を贅沢に使うことを手放して、小さな暮らしを目指そうという、ささやかで温かい気持ちが芽生えてきました。

「ミニ太陽光発電システム」を家電につないでみた

さて、この「ミニ太陽光発電システム」を、自宅の家電にひととおりつないで試してみることに。

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・エアコン
なんと、つなごうと思ってコンセントを抜いてみたら、3つの脚がある特殊なコンセントで、インバーターにつなぐことができませんでした…。

・冷蔵庫
つないでみたものの、うんともすんとも言わず…。

・洗濯機
つないでみたら、一瞬、インバーターからピッという警告音が鳴ったかと思ったら、その後何も動かず。

・掃除機
一瞬、音が!でも、その音も電池切れ間近のような音で、すぐに止まってしまった。

・ドライヤー
最初ジーっという音が少ししたが、その後、何も音がせず、風も出てこない。

・液晶テレビ
電源がついて、ジーっという音がしたかと思ったら、インバーターからピーッ、ピーッと警告音が。画面は映りませんでした。

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・扇風機
扇風機は問題なくつきました!涼しい風。快適!

・読書灯
夜は、手元の電気だけで読書。40Wの白熱灯は、ほぼ満充電からたった20分しかバッテリーが持たず…。LED電球の40W相当だと、昼間充電した分で、朝までまかなえます。

上記の内容から、ベッドにつけた読書灯のほか、ノートパソコンやタブレット、Wifiやスマートフォンなど、仕事で使うものは「ミニ太陽光発電」でつくった電気でできる限りまかなおうと決めました。

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・ノートPC、スマートフォン、Wifi
ノートPC、スマートフォン、Wifiの3点をつないで仕事。

この原稿も、ミニ太陽光発電システムでつくった電気で書いています。グリーン原稿とでも言いましょうか(笑)。バッテリーは、おおよそ6時間ほど持ちました。ノートパソコンは、常に最大消費電力を使っているわけではなく、思いのほか消費電力は少なさそうです。

省電力家電なら、もっと少ないエネルギーで暮らせる

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統計によると、一般家庭の平均消費電力は、一日あたり10,000Wh程度だそうです。単純な計算ですが、もし、いつも使っている家電製品の電力が100分の1になれば、一日あたりの消費電力は100Whですむはず。ミニ太陽光発電システムが一台あれば、電力会社から電力の供給を受けなくても暮らしていける、ということになります。

100分の1の消費電力の家電を見つけることは難しいかもしれませんが、例えば今使っている電球をLED電球に変えてみると…。

40Wの電球をLED電球に変えれば、明るさは40W相当でも消費電力は6W程度。(正しくは6.6W)100Wの電球をLED電球に変えれば、明るさは100W相当でも、消費電力は9W程度になるのです。こうした小さな積み重ねが、大きいのですね。

ちなみに、ミニ太陽光発電システムでつないでみると、先述のとおり、ほぼ満充電で40Wの白熱電球はたった20分しかバッテリーが持たず…。6WのLED電球は、目安として30時間使えるようですが、30時間も電気をつけっぱなしということも日常ではあまりなく、バッテリーは切れたことがありません。

このように、ミニ太陽光発電システムは消費電力の少ない「省電力家電」と組み合わせることで、その可能性が広がるというわけです。

エネルギーとは、サービスである

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ミニ太陽光発電を実際に家で使ってみて感じたことは、電気は自分でつくれるんだという発見とともに、やはりエネルギーを生み出すのは大変だということ。ないところから生み出すために、装置が必要になったりする。でもよく考えてみると、エネルギーは、使わなくても生きていける、つまりサービスなのだと思いました。

例えば、そのままでも飲めるけど、温かいものが飲みたいから温める。頑張れば歩けるけど、急いでいるし荷物も重たいからタクシーに乗る。電気だけではなくて、エネルギーという大きなくくりで、これは実際に電気をつくってみて分かったことですが、つくるよりも使わないことの方が簡単でした。

とはいえ、電気と向き合う暮らしには、楽しさがありました。何より、晴れの日が待遠しい。かんかん照りの夏日も、今日はたくさん電気がつくれる!なんて思ったり。太陽は当たり前のようにあるけど、太陽って本当にありがたい。つくれる電気は少なくても、少ないほうが、より豊かな暮らしができるような気がしました。

こうした“エネルギーのリテラシー”は、今こそ必要な気がします。できれば、どんな種類の電気を使うか、太陽光なのか地熱なのか、使う電気の供給元を選べるような時代になってほしい。いつか電気を選択できる時代はやってくるかもしれません。

太陽光発電は、市民が取り組むことができる、一番ミニマムな技術なんですね。ぜひ、自分の手で電気をつくってみて、実際にそのつくった電気で暮らしてみてほしいと思います。みなさんも、「ミニ太陽光発電システム」で、小さな暮らしを始めてみませんか?