みなさんは「お肉屋さん」といったらどんなお店を想像しますか?気前よくおまけをくれるお店、親子何代も続く老舗のお店…ずっと昔から変わらないようなイメージがありますが、最近クリエイティブなお肉屋さんが登場しています。
アメリカ・ワシントン州にある、Brandon Sheardさん(以下、ブランドンさん)と妻のLaurenさん(以下、ローレンさん)が営む「Farmstead Meatsmith(ファームステッド・ミートスミス)」は、その変化の火付け役として有名になりました。
昔ながらのナイフを使います
ファームステッド・ミートスミスの特徴は、”移動式”のお肉屋さんであること。畜産農家さんのところまでトラックで飛んでゆき、屠殺から家畜の解体、加工までの実践レクチャー教室を開催してくれるのです。
とり肉のレクチャーも
ブランドンさんはこう言います。
私たちの目的は、動物の全ての部位を余すことなく丁寧に切り分ける、昔ながらの伝統的な家畜のさばき方を復活させることです。動物の部位を無駄なく使い切ることは、家畜への感謝と尊敬の気持ちを示すと信じています。無駄な部位を廃棄する加工工場のやり方とは、全く違うアプローチなのです。
肉を切り分けるブランドンさん
豚肉の切り分け方の知識をもっと広めようと、ファームステッド・ミートスミスがつくったこちらの「On the Anatomy of Thrift」シリーズ。一見おしゃれなプロモーションビデオのようですが、ナイフや指のみを使うシンプルな豚の解体方法を紹介しているなど、もともと畜産農家の人々のためのレクチャーとしてつくられた動画なのです。そのこだわりのデザインや演出が評判を呼び、今も再生回数がのびています。
この夏ファームステッド・ミートスミスは、クラウドファンディングにも挑戦しました。もっと多くの農家へ教室をひらくための道具やトラックの資金集めでしたが、残念ながら失敗。しかし、
新しい友人が増えたり、新たなチャンスが巡って来たりといった多くの成果を得ることができました。今後のキャンペーンも張り切って頑張るので応援よろしく!
と、とってもポジティブに次のキャンペーンヘの意欲を語っています。
移動するお肉屋さんの大事なトラック
アーティスティックなビデオやクラウドファンディングといった新しいことに挑戦し続ける「ファームステッド・ミートスミス」。彼らのクリエイティブな取り組みは、お肉屋さんだけでなく他の一次産業にも参考になるかもしれません。
あなたの周りの素敵な農家さんがいたら、ぜひ教えて下さい!
(Text:恩田ひとみ)