いま大震災や未曾有の規模の台風が襲ってきたとして、みなさんはちゃんとそれらの被害に対して何か備えているでしょうか?
非常食や防災キットのようなものはもちろんあると良いですが、信頼できる人や情報にアクセスできるかどうか、という点も非常に大切になってくると思います。もっと言えば、人と人とのつながりは、防災として災害後のネットワーキングとして大事だと考えられます。
そんな中、カリフォルニア州の都市サンフランシスコでは「San Francisco Department of Emergency Management(緊急事態管理組織)」という行政機関が主体となり、緊急時に備えた新しい形のソーシャルネットワーキングサービス「SF72」をつくっています。
このサービスは、みんなで震災やハリケーン、豪雨などの様々な緊急事態に備えよう、そのためにつながろうというものです。SFはサンフランシスコ、72は災害における人命救助に関してよく言われる「72時間の壁」を意味しています。
「SF72」のSと2を合わせたロゴマーク
カリフォルニア州において、ロサンゼルスとともに経済、工業の中心地として知られ、金融センターとしてもアメリカ西海岸では重要性を持っている都市サンフランシスコ。実は、1906年のサンフランシスコ地震、1989年にはロマ・プリータ地震と、2つも大きな震災を経験していることはあまり知られておりません。
しかしながら近年、アメリカではサンディ、日本でも東日本大震災があり、災害を乗越え復興していくためには、つながりあったコミュニティの大切だと感じる方も多いかと思います。SF72は、「This is our city.」というマニフェストを掲げています。
ここは自分たちの暮らす町なんだという気持ちを持ちながら、緊急時に対応できるようにしようということ。また緊急時には、何かが崩壊するという時ではなく、あえて言えば、人と人がつながる時であるということを強調しています。
ソーシャルネットワーキングサービスを通じて、緊急時への準備や、いざという時に役立つ情報を取得できるようにサポートしていくことが目的です。例えば、サンフランシスコは、デザインファームとして有名なIDEOをタッグを組み、災害に備えたい人、誰かを助けたい人のオンラインミーティングができる場所づくりを展開しているなど、緊急時の取り組みには注力しています。
「SF72」は今秋にリリース予定ですが、被害を受けた町に関するツイートのライブストリームや、行方不明者の特定、自助や共助に関する情報などにアクセスすることができる予定だそう。加えて、避難者の宿泊のために、自分の家を登録することが可能だったり、自分たちがどのようなスキルやモノを持っているのかなどを共有することができるとのこと。
現在は、人と人とのつながりから生まれる防災コミュニティの実現に向け、世界中で防災訓練を行っている「ShakeOut」や、防災に関するクイズをまとめているサイトなど様々なプレーヤーとタッグを組み、構想を練っています。新しい災害への取り組みに、注目していきましょう。
SF72. This is our city. from crowcrag on Vimeo.
[via psfk]