San Francisco Public Libraryのポップアップ図書館
みなさんは「ポップアップショップ」という言葉を聞いたことはありますか?固定の店舗を持たず、一定の期間だけ場所を借りて出店するショップ形式のことで、「ポップアップリテール」「ポップアップストア」とも言います。これまでにgreenz.jpでも、神出鬼没なオンライン型ポップアップショップ「QUITOKEETO」や期間限定の「ポップアップショップ」が世界各地に出没中!といった記事で紹介してきました。
“ひょっこり現れては消える”というスタイルは人々を引きつけ、最近では小売店に限らず、ポップアップ・レストラン、ポップアップ・ギャラリーなど様々なかたちに応用されています。
今回は紹介するのは、そんなポップアップの活動を促進し、地域の活性化に繋げることを目指す、空きスペースのマッチングサービス「Square Foot」(以下SQFT) です。
舞台はサンフランシスコの開発地区ミッドマーケット。この地区はその名の通り、交通の便が良い街の中心に位置しています。しかし一方で、使われていないオフィススペースが多く、街が廃れ治安が悪化しているという問題を抱えていました。
そこで、この問題を解決し街に活気を取り戻すため、若い起業家たちがオンラインサービス「SQFT」を立ち上げました。
SQFTチーム(左からティナ、パトリック、エミリー)
サービス名の“square foot”は面積を表す単位で、1 square foot は ”1平方フィート(約929平方センチメートル)”のことです。
SQFTでは、ミッドマーケット地区の空いているスペースをオンライン上で検索し借りることができます。SQFTの特徴は、長期だけでなく短期で借りることができるスペースも探せるということ。“1日のみ”はもちろん“朝だけ”や“夜だけ”といった超短期のレンタルスペースにも対応しています。
Huckleberry Bicycleのポップアップストア
また、手続きがとても簡単です。まず、SQFTのサイトに行き、借りたい場所の大きさ、日程、借りる目的を登録します。使用目的の項目には「会議」「ギャラリー」の他に「ボードゲーム」「ヨガ教室」「映画上映」などがあり、広いスペースだけでなく、個人で使うような小さなスペースも借りることができます。
登録すると以下のような吹き出しが出てきます。
「一週間のみ、日曜の正午〜夜の間、映画上映会のために605平方フィートを363ドルで借ります」
SQFTの狙いは、ずばりポップアップ形式での出店や市民の活動を促すこと!空きスペースを借りやすくすることで、多くのイベントやビジネスが起こりやすくなり、雇用の拡大にも繋がります。
またポップアップを活用する側にもメリットがあります。小さなビジネスや起業家にとっては、必要最低限の予算で彼らのサービスやプロダクトを試すことができますし、アーティストやクリエイターにとっては彼らの作品の発表の場となります。
SQFTはただスペースを提供するだけではなく、なにか新しいことにチャレンジする人びとに”きっかけ”を与えてくれる仕組みでもあるのですね。
イベント名は
By the SQFT:Popping Up in Mid-Market!(SQFTでミッドマーケットに飛び出そう!)
この動画は昨年の8月1日にSQTFのサービス開始を記念して行われたイベントの様子です。
ミッドマーケット地区のマーケットストリートの5番街から7番街までがイベントの中心地。様々なポップアップアクティビティでにぎわい、今まで希薄だったコミュニティーが蘇りました。
“もし私たちがひととスペースをつなげたら”
Joules Jewels Vintageのポップアップストア
ポップアップ音楽教室
Gray Area Foundation for the Artのポップアップヨガ教室
“これぞ地域の活気”
SQFTは昨年スタートしたばかりで、サービスは現在ミッドタウン地区のみで行っています。しかし、今後SQFTを活用する人や支援する人が増えれば、他の地域でも利用できるようになるかもしれません。
自分たちが住む街だったらどんなポップアップが生まれそう?そんなことを思いながら、街を眺めてみるのも面白いかもしれません。