みなさんは自分が住んでいる町や故郷を人に紹介する時どうしますか?きっとその町のシンボルを紹介するのではないでしょうか。しかし時が経ちそのシンボルが使われなくなったり、使えなくなったりしたら、きっととても残念に、そしてどうにかしたいと思う人も多いのではと思います。
今回の記事の舞台はベルギーの港町、アントワープ。「フランダースの犬」の舞台といえばピンとくる方も多いかもしれません。港町とあって港には船や荷揚げ用のクレーン船がたくさんあり町のシンボルの一つとなっています。
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しかし形あるもの、いつかは壊れる。廃船となっていく船も多くあります。今回ご紹介するベルギーの職人集団「Time Circus」も、冒頭のように廃棄されていく町のシンボルをどうにかして生かせないかと思ったのではないでしょうか。
青々とした港にあるクレーン船などの廃船上に作られた緑溢れる空間。これなんと「Time Circus」の手作りなのです。廃材やリサイクル品を用いて空間を作り変えています。なんと野菜園やグリーンハウス、鶏小屋まであります!
またキッチンも付いているのでここで採れた素材をそのまま調理に使うことができます。これぞまさに地産地消ならぬ船産船消?さらに船内にはなんとバーまで!「Welvaert Welton」のFacebookページに実際に廃船が農園などに変わっていく様子や船内バーでのパーティの様子が紹介されています。町のシンボルであったものが形を変えて、また町のコミュニティーの場となっていくのは素敵ですね。
時代の移り変わりと共にいろんなモノが生まれ、廃棄されていきます。町のシンボルだったモノも同じ運命にあります。でもモノを作るのが人間なら、廃棄するのも人間です。自然となくなっていくわけではありません。だからそのモノに対する愛着とアイデア次第では今回のアントワープのように形を変えて、その町の新たなシンボルになるかもしれませんね。
(Text:中楯知宏)
[via treehunger]