KickstarterやIndieGoGoに代表されるように、近年、不特定多数の人々から資金を募るクラウドファンディングが、幅広い分野で活用されてきました。一般的に、これらのサービスは、手数料として、各プロジェクトが調達した資金の一部を得るというビジネスモデルになっていますが、この流れに反し、手数料ゼロのクラウドファンディングサービスが「HopeMob」です。
「HopeMob」は、社会貢献プロジェクトに特化したクラウドファンディングサービス。インターフェイスは、Kickstarterなどとよく似ており、資金調達中のプロジェクトが一覧化され、各プロジェクトの詳細ページでは、その目的や背景が詳しく述べられています。これまでに、ハリケーン・サンディの被災者に対する支援プロジェクトや、カンボジアの過疎地におけるマンゴー植樹プロジェクトなど、世界中の様々な社会貢献活動をサポートしてきました。
「HopeMob」の最大の特徴は、支援者からの資金がすべて寄付先に提供される点です。現在、Kickstarterでは資金調達総額の5%、IndieGoGoでは資金調達総額の4%(目標金額を達成した場合)もしくは9%(目標金額を未達成の場合)が、それぞれ手数料として、各プロジェクトに課されるルールとなっていますが、「HopeMob」では、このような手数料は一切かからず、資金調達した金額すべてがプロジェクトに渡ります。
このように多くのクラウドファンディングサービスがプロジェクトからの手数料を主な収入源としている一方で、なぜ、「HopeMob」では、手数料ゼロでの運営が可能なのでしょうか。答えは、寄付とボランティア。公式ウェブサイト上で「HopeMob」に対する寄付を継続的に募る一方、25カ国2000人以上のボランティアたちの努力によって運営されているのが現状です。
寄付とボランティアのみに依存しているという点で、「長期間にわたる持続可能な運営が可能なのか?」という疑問は残るものの、「HopeMob」は、既存のビジネスモデルによらない、新しいクラウドファンディングサービスのあり方への果敢なチャレンジといえるでしょう。