一流ホテルでは、宿泊客が快適な夜を過ごせるよう、高品質なシーツやタオルが使われていますが、これらは、わずかな傷や擦れなどが見つかるとすぐ取り替えられてしまうそう。そこで、この貴重な素材を有効に活用し、シンプルでかわいい子ども服として蘇らせるキッズブランドが、スウェーデンで立ち上げられました。
「Stormie Poodle」は、4人の子どものママでもある、生物学者のCaroline von Post Carlssonさんによって創設されたキッズブランドです。一流ホテルに向けて高品質なシーツやタオルを貸し出しているリース会社から、使われなくなったものを買い取り、子ども服やベビータオル、バスローブにリメイク。0〜6歳までの子どもを対象に、プロダクトを展開しています。
Carlssonさんによると、このブランドが生まれるきっかけとなったのは、彼女が第三子に待望の女の子を授かったことだそう。
娘ができたのが嬉しくて、最初は、レースやフリルのついたガーリーな洋服を着せていたのだけど、表は肌触りがよくても、裏側はかたい繊維でゴワゴワしていたり、首のあたりに付いているプラスチックのラベルがチクチクしたり…。娘にとってあまり着心地のいいものではないことがわかったの。
また、生物学者として地球環境の研究に取り組んできた経験から「地球の健全な生態系は、私たち人類の社会的・経済的幸福ともつながる、不可欠なもの」と考えていたCarlssonさんは、子どもだけでなく、地球環境にも負荷の低い洋服を作ることを決意しました。
環境負荷の軽減という観点から、ホテルのシーツやタオルに着目し、これらの資源を有効活用している一方で、肌が敏感な子どもでも安心して着られるよう、徹底的に管理。たとえば、洋服の素材となるシーツやタオルは、エコフレンドリーな洗剤で何度も洗い、有害な化学物質をキレイに取り除いてから縫製を行っています。また、ブランドのタグラベルをコットン素材にするなど、小さなパーツにまで細かな工夫が施されているのも特徴です。
実は、私、ファッションの経験もデザインの経験もないのよ。でも、生物学者としてのキャリアや、母親としての経験が、「Stormie Poodle」につながっていると思う。
と語ってくれたCarlssonさん。
娘を持つ母親としての気づきと生物学者としてのキャリアをうまく掛け合わせ、子どもにも地球にもやさしいキッズブランドという新しいチャレンジにつなげている点は、女性のキャリアチェンジのあり方としても参考になる、ステキな事例だと思います。