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「食」を中心に、働くということ。原宿のキッチンスタジオ付きシェアオフィス「COOK&Co」が目指す場づくりとは

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「身体が資本」という言葉があるように、日々の食事と身体の健康は切り離せないもの。身体が健康でなければ、元気に働くこともできません。でも食事と職場が切り離されているオフィスも多いのではないでしょうか?

そんな課題を解決するために、原宿に登場したのが「COOK&Co」です。

体験型メディアとしてのキッチン付きオフィス

「COOK&Co」は「食」を楽しみながら働くことができるキッチンスタジオ付きのシェアオフィス。企業のオフィス兼テストキッチンや近くのお店の倉庫として使用されていた空きビルを、リノベーションして作られました。3階建てのうち2階・3階が作業場となっており、1階部分には共用の大きなキッチンを併設。キッチンでは乾物やカクテルなど「食」にまつわるイベントやワークショップも開かれているそうです。

プロデュース・運営するのは渋谷のコワーキングスペース「THE TERMINAL」やシェアタイプSOHO「THE SCAPE(R)」も手がける株式会社THINK GREEN PRODUCE(以下、TGP)。コンセプトに「THINK GREENなクリエイティブ」を掲げ、持続可能な未来を考え、既存の建築を活かしたまちづくりを行なっています。

株式会社THINK GREEN PRODUCEで「COOK&Co」を担当されている蛯谷耕太郎さん
株式会社THINK GREEN PRODUCEで「COOK&Co」を担当されている蛯谷耕太郎さん

入居者の方や「食」に関する事業をやっている方をつなぐ存在になりたいと思ってはじめました。たとえば飲食店のメニューづくりや展示会の開催など、仕事の依頼が増えるようになることが理想です。

また蛯谷さんは、他のコワーキングスペースやシェアオフィスとの違いとして、「COOK&Co」を「食についての体験型メディア」であると言います。

COOK&Coで開くイベントは、食の素材について学び、調理して、実際に食べるという「体験」を通じて、料理人や生産者などの作り手の声を届けることを目的に行われています。

特に、料理や食にはあまり興味がない人に訴えたいと考えている。そのため、イベントを作る際はコンテンツや集客時の見せ方にファッション性を持たせることや、人と人の交流を作ることなどをして工夫しています。

ライフスタイルとして「ちゃんと食べる」ことや「食を選ぶこと」が定着するといいなと思いますね。

event_1入居者の横田渉さんが開催したイベント「tasobi cooking festival」の様子

また、原宿という場所も大切な要素なのだとか。

街を通っている人たちがふらっと立ち寄れるような場にしていきたいですね。曜日ごとに毎日違うマーケットになっても面白いかもしれません。

原宿では、特に「食育」というテーマを軸にしたいと思っています。原宿にいる方は、すでに親になっていたり、これから親になる世代の方も多い。そんな若い世代に安心できる食材など、将来にも役立つ知恵がうまく伝えるといいなと思っています。

okujyo人工芝が敷かれている屋上では、菜園を始める計画もあるのだとか。

ファッションやカルチャーに近いところで「食」を学べるのは、街の豊かさを考える上で重要なポイントかもしれませんね。

入居者の方は「食」関連の事業をされている人が多く、初めてオフィスを持つ方ばかりとのこと。そのなかの一人、tasobiというプロジェクトの横田渉さんは「COOK&Co」に入居した後の変化として、このようなことを話されていました。

入居前はレストランでシェフをしていたので、仕事上の繋がりはお店のシェフの方々だけでした。それが入居後はシェフ・料理人や料理研究家、ウェブサイトづくりをされている方やイベント運営をされている方など、様々なノウハウを持つ方との横の繋がりができました。

お店のキッチンにこもるのではなく、横の繋がりを活かしてイベントを開くことで、お客さんと接することができるようになり、やりたいことを形にできるようになったと思います。

今後は入居者以外の方も常に「食」に興味のある人が集まるような場になるといいなと思いますね。

yokotatasobiの横田渉さん

毎日の食事が、身体をつくる。「食」を整えながら生きることができる環境に身を置くことは、どうしても目の前の仕事に忙殺されてしまいがちな現代人に求められていることなのかもしれません。「COOK&Co」ではクラブメンバー(入居者)を募集中。気になる方は足を運んでみてくださいね。

(Text:緒方 康浩)