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日本から世界中に「ありがとう」の気持ちを。ハートフルなデザインで震災復興の感謝を伝える「LOTS OF HEART PROJECT」

Vanuatu

2011年3月11日、東北から東日本一帯を襲った東日本大震災。その直後から現在まで、世界中から多くの支援をいただきました。日本に温かい手を差し伸べてくれた世界のみなさんに、感謝の気持ちを伝えたい。そんな素敵な思いから始まったのが、「LOTS OF HEART PROJECT」です。

「LOTS OF HEART」は、世界共通で「LOVE」を表す「ハート」を使って、たくさんの愛情が日本に集まっていることを表現したもの。このグラフィックデザインに言葉を添えたポスターをつくり、海外在住の日本人を中心に、日本からの感謝の気持ちを世界中に伝えています。

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「LOTS OF HEART」ポスター

「自分ができること」から始まった

東日本大震災が発生した後、「自分にいったい何ができるのだろうか」と自問自答した人のも多かったのではないでしょうか?このプロジェクトの発起人でもあるアートディレクターの柴岡洋次さんもその一人でした。

何か自分でできることを。その思いから柴岡さんは、ハートを使用したグラフィックに節電や支援を呼びかけるメッセージを添えたものをウェブ上に公開し、サイトを訪れた人が誰でも自由にダウンロードしてポスターを使用してもらえるようにしたことが「LOTS OF HEART PROJECT」の原型でした。

“ハート”は万国共通の“愛”の象徴

2011年4月、このポスターを見たフランス・リオン在住の日本人の方から、「現地の日本人向けチャリティーバザーで、ポスターのビジュアルを使用させていただきたい」という連絡を受け、ポスターやチラシなどに使用してもらったそうです。

バザーは大反響に終わり、現地の方々にもハートが集まるデザインが好評だったとお礼の手紙を受け取った柴岡さんは「ハートは、万国共通の“愛”を表すシンボルなんだな~」と、漠然と思ったと言います。

リヨンからの手紙
リヨンからの手紙

その後、自分自身のスキルアップのためにアートディレクター養成講座に通い出した柴岡さん。その卒業制作の課題が偶然にも「アートディレクションの力で地域に貢献する」でした。

課題を見たときに、その当時メディアでは、世界中の多くの国と人々が日本の復興支援をしてくれている情報や映像を毎日のように目にし、柴岡さん自身が世界の人々に感謝の気持ちを持っていたことと、またリヨンのチャリティーバザーでの反響とが頭の中でピッタリと重なり合い、「ハートが集まるデザインを世界中の人が見てくれたら『ありがとう』と言う言葉がなくても日本からの感謝の気持ちが伝えられるかもしれない!」と、プロジェクトの発想が生まれたそうです。

そしてたくさんの人からアドバイスや協力をしてもらい、現在の「LOTS OF HEART PROJECT」の形にたどり着きました。

各国の言葉で「ありがとう」

現在の「LOTS OF HEART PROJECT」は、主に海外に住んでいる日本人の方々を中心に、ウェブサイトから直接ダウンロードしてもらったポスターを各国のいたる所に貼ってもらっています。

万国共通の愛の象徴であるハートが日本に集まっているよ!ということをビジュアルだけでも理解できるようにと柴岡さんが最大限に表現したデザインと、プロジェクトに賛同してくれた方々に手伝ってもらい、各国の言葉で書かれた感謝の文章が載っています。

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スウェーデンの図書館

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オーストラリアのカフェ

「賛同者がいる限り、継続します」

今後も賛同してくださる方がいる限り、継続してポスター運動を続けていけたらと思っています。ほんの少しでも、日本と世界とのつながりを感じてもらえるような、ポジティブなメッセージを発信していきたいですね。

と柴岡さん。さらに、プロジェクトに参加してくれた方々のおかげで、すでに世界中からたくさんの素敵な写真が集まったので、それに音楽を合わせた映像をも制作しました。

震災発生時には、祖国から遠く離れた海外に住む人々は、日本人でありながら現地のニュースや、ツイッター、その他のソーシャルメディアなどから発信される情報を聞くだけで、何もできない自分自身にもどかしさを感じた人が多かったのではないでしょうか。

「直接復興のお手伝いができないけれど、何か自分にできることは?」と考えている海外在住の方だけではなく、日本国内のみなさんもあなたの近隣の方々に日本を代表して「ありがとう」を伝えるお手伝いをしてみませんか?