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本当に優雅なホテルは、自然へのホスピタリティも忘れない。 CO2排出量20%削減を公約に掲げる、パリの5つ星ホテル「Hôtel Fouquet’s Barriere」

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みなさんは、夏休みにどこか旅行へ出かける予定はありますか? 6月に入り、そろそろ旅行会社にパンフレットを取りに行ったり、書店でガイドブックの立ち読みを始めている方も、多いかもしれません。

今回ご紹介する、「Hôtel Fouquet’s Barriere」は、世界中の旅行客なら誰でも憧れる、大都会パリにある5つ星ホテル。しかし、このホテル、ただ高級なだけではありません。なんと、「2020年までにCO2排出量の20%削減を目指す!」と宣言しているのです。
 
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一見するだけで優雅さと豪華さに目を奪われる、ホテルの内部

パリのメインストリート、シャンゼリゼとジョルジュ・サンク通りの交差点に建つ「Hôtel Fouquet’s Barriere」は、以前フーケッツ(飲食店)だった建物を増設改築し、2006年にオープン。ホテル内に入ると、ナポレオン三世様式とアール・デコ様式が見事に融合したモダンラグジュアリーな別世界が広がります。

豪華で優雅な空間が広がる一方で、これまで”自然環境と調和したラグジュアリーな空間づくり”をコンセプトに運営してきたという「Hôtel Fouquet’s Barriere」。フランスのホテル業界では初めて、国際標準化機構が定める国際基準「ISO 14001」を認証取得し、環境保護活動を展開してきたとのこと。

実際、ホテル内で提供される料理の食材は、すべてオーガニックに、かつローカルに生産されたものだけを使用しているといいます。そして、社員の環境意識を向上をさせるために、ホテル内で出る膨大な紙や段ボール、プラスチック、電池から食用油にいたるまで、リサイクル可能なものはすべて収集しているそう。
 
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各部屋に置かれるタオルもすべてオーガニックコットン&リンネで統一しているのだとか。

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観光地パリらしい取り組みとして、コンシェルジュが率先して「NéoCab」と呼ばれる、ハイブリッドカータクシーをお客様に勧めたり、電動スクーターを貸し出すことも!

とはいっても、さすがにこれらの小さな取り組みだけで、CO2排出量を大幅に減らすことは難しいですよね。そこで彼らが注目したのは、「食」を重視するホテルとは切っても切り離せないワインでした。

そこで2009年に立ち上げたのが、「Fouquet’s Harvest Project」という取り組み。ワインの名産地であるアキテーヌ地域ランド県で葡萄を製造し、オークション形式で販売。その売上金額を、CO2を吸収するための植林活動に使っています。2013年には、4万7千ユーロもの金額が集まり、40ヘクタールに3万7千本の木々を植えることに成功しているのだそう。
 
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気になる葡萄づくりは、有名なワイナリーであるMarie Laure Lurtonさんに協力を要請し、ホテルの社員スタッフ20名らが現地で活動をしています。

「Hôtel Fouquet’s Barriere」のマネージャーをつとめる、Fabrice Moizanさんは、こう話します。

観光業を成り立たせるには、非常に多くの物を消費しなければいけませんし、必要なエネルギーも莫大です。だからこそ、少しでもその環境負荷を軽減させるための取り組みを考えることが、我々が担うべき重要な責任だと思っています。

そして最近では、ホテルに滞在する観光客の環境意識が高まっていることを感じます。実際に、先日ホテルの宿泊者にアンケートを実施したところ、全体の30%の人々が我々の環境保護活動への共感が理由で、「Hôtel Fouquet’s Barriere」に決めたと答えてくれています。

最近では世界中の都市やリゾートで開発が進んでいますが、観光客である私たちがホテルの社会活動をポイントに選ぶことで、旅行先の環境保全に貢献していくことが大事なのかもしれません。

みなさんも、この夏に滞在するホテルを選ぶときのポイントを考え直してみませんか?

[via YouTube, localfoodandwine, forbes, lucien barriere, Facebook]