より多くの知識や情報がデジタルデータとして配信されているこの時代、本を手にとり、紙ページを一枚づつめくりながらその表現世界にどっぷり浸かるひとときは、特別で貴重なものですね。
ニューヨークの片隅にあるユニークな図書館「Brooklyn Art Library」は、そんな本の素朴な楽しさをユニークなアプローチで伝えています。
「Brooklyn Art Library」は、世界に一冊しかないアートブックを集めた私設図書館です。アートプロジェクト「The Sketchbook Project」を通じて世界中のクリエイターが自作したアートブック1,000冊以上を所蔵。開館中なら、誰でも無料でこれらを閲覧できます。
この図書館を利用する手順としては、まず、利用者カードを作成。受付にあるパソコンで必要事項を入力すれば、無料で作成できます。
閲覧するアートブックは司書さんを通じてお借りする仕組み。受付にいる司書さんに、利用者カードを手渡し、関心のあるテーマやキーワードを告げると、壁いっぱいに収められている蔵書の中から、自分のリクエストに合ったものをセレクトしてくれます。閲覧者用のスペースには、大きなテーブルと椅子があり、一冊づつ手に取って、本をじっくり楽しむことができますよ。
ちなみに、「The Sketchbook Project」は、2006年から毎年開催されているプロジェクト。参加者は、プロジェクトから配布されたスケッチブックを使って、言葉や絵など、自由な創作活動を行い、世界にひとつだけのアートブックに仕上げていきます。これまでに94カ国もの人々が参加しており、2012年6月現在、公式ウェブサイトでは「The Sketchbook Project 2013」の参加者を募集中です。
Brooklyn Art Libraryは、「The Sketchbook Project」で制作されたアートブックのリアルなアーカイブスペースであるのみならず、アートブックの閲覧を一般に開放することで、世界のクリエイターと利用者をつなぐ“ハブ”のような役割をも担っています。
「The Sketchbook Project」の一員としてアートブックを作るもよし、Brooklyn Art Libraryに足を運んでこれらをじっくり読むもよし。シンプルなスケッチブックから無限に広がるクリエイティブワールドを、みんなで楽しめる、ユニークな試みといえるでしょう。
Brooklyn Art Libraryのアートブックプロジェクト「The Sketchbook Project 2013」に参加してみてはいかが?
同じくアメリカの図書館ではこんなプロジェクトが進行中