明日3月11日で、東日本大震災発生から1年が経ちます。そして、阪神・淡路大震災からは17年54日目となります。
ひとつの節目となるこのタイミング、東日本への支援活動などが注目を集めていますが、阪神・淡路大震災に見舞われた地域での「復興」はまだ続いています。
今回ご紹介するのは、東日本大震災をきっかけに始まった、阪神・淡路大震災のリサーチプロジェクトです。「なぜ今のタイミングで?」と思われるかもしれませんが、そこにはとても大切な思いが込められています。
「阪神・淡路大震災 + クリエイティブ タイムライン マッピング プロジェクト」は東日本大震災から1ヶ月弱が経った4月2日に発足したプロジェクトです。
阪神・淡路大震災以降、大勢のクリエイターの方が「自分にできることはなんだろう?」と考え、そして行動をしてきました。
阪神・淡路大震災の復興活動もまだ続いている中で発生した東日本大震災。そのようなタイミングで「17年前から今に至るまでのクリエイターによる過去の支援活動を調査し、見直すことで、今後の取り組みに活かすことができるのではないか」という想いから今回のプロジェクトは始まりました。
「阪神・淡路大震災 + クリエイティブ タイムライン マッピング プロジェクト」の公式サイトでは「アート」「デザイン」「建築」の3つの分野において、取り組まれてきた支援活動が年表にマッピングされています。
表示されているプロットを選択すると、その支援活動の内容が分かります。
こうして17年間の軌跡を眺めると、震災直後こそ多くの支援活動が集まっているように見えますが、現在に至るまでも継続的に活動が続いているのが分かりますね。
また、サイト内には注目すべき支援活動に関するインタビュー記事も掲載されています。現在も続いている活動もあれば、過去に行われた活動も取り上げられています。当時、クリエイターがどのような想いで、どのような目的で活動を行ったのかを知ることは、東日本大震災での支援活動にもどこかで繋がりそうです。
今回のプロジェクトは東京で活躍するデザインユニット SPREADが発起人となり、その想いに共感したボランティアメンバーのみで構成されています。資料集めやリサーチ、インタビュー、原稿化などの作業もすべてボランタリーに取り組まれています。
メンバーのプロジェクトにかける想いは、以下のように綴られています。
めざしているのは、長い復興の過程においてクリエイティビティができることを方向づけ、さらなる復興支援活動や今後起こりうる天災時にクリエイターがどう関わればよいのかという指針のひとつを示すこと。防災先進国である日本が世界へ発信できるアーカイブとしての意義も大きいはずです。
現在もひきつづき阪神・淡路大震災の復興支援に関するプロジェクトやイベント、製品、まちづくりの仕組みなどを募集しています。読者の方の中で、タイムラインにまだマッピングされていないものをご存知でしたら、ぜひ投稿してみてください。みんなの手で、年表を完成させましょう。
東日本大震災発生時の救援活動においても、阪神・淡路大震災での多くの学びが活かされました。まさに「過去から学ぶ」ことの大切さを痛感するひとつの契機となりました。
今回のプロジェクトは、全国のクリエイターにとって、阪神・淡路大震災における「継続的な取り組み」に繋がるだけではなく、東日本大震災における「これからの活動」にも活かされることでしょう。今後の更新も楽しみです。
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