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カンヌ国際クリエイティブ祭2011受賞の社会派広告(10)Film Lions(1)

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今年カンヌを受賞した社会派広告の紹介も、いよいよ終盤。今日は映像、フィルム部門です。シリーズものや長尺ものがあるので二回に分けてご紹介します。

【GOLD】

●SEE THE PERSON / SCOPE

ゴールドを受賞したのは、オーストラリアで障害者の支援を行っているSCOPEという団体のCM。コピーは「障害ではなく、人間を見てください。」このCMは、6人の障害者で結成されたバンドのミュージックビデオをつくるというキャンペーンの一環で放送されたものです。

このミュージックビデオがカッコいいんです。

前半は演奏に焦点を当てる映像。軽快なギターポップにノッて後半に進むと、演奏しているのが障害をもった人たちだということがわかります。障害も個性のひとつであり、障害をもつ人もそうでない人も、同じ人間なんだという団体のメッセージが感情とともに伝わってきます。

【SILVER】

●LOVE TO MEET YOU / BRANDHOUSE

シルバーの1本目は、以前greenzで紹介した、南アフリカの飲酒運転防止CMです。いかにのアブない感じのお兄さんたちが口説き文句を繰り出すのですが、カメラが引いていくと、お兄さんたちが囚人であることがわかります。「僕らがかわいがってあげるから、おいでよ」と。飲酒運転で留置場に入るとどんな目にあうかわからないよ、という世にもおぞましいCMです。

●FAMILY,KIDS,KITCHEN / UNICEF

・FAMILY

・KIDS

・KITCHEN

ユニセフによる3本シリーズのCMです。子どもがたちが遊んだり、親子でふれあったりする薄暗い映像。カメラが引いていくと、それは消されたテレビの画面に映っている日常であることがわかります。コピーは「スクリーンを消したときに見えるものを見よう」。テレビやパソコンを消したときに見えてくる、本当の幸せを楽しもう、ということですね。

●WHO KILLED DEON / THE LONDON METROPOLITAN POLICE

ロンドンのメトロポリタン警察によるインターネット・フィルムです。一人の青年が殺されるまでを追う、6人の容疑者を追う6本のムービー。誰が犯人なのかを視聴者に推測させるサスペンス形式になっています。見ているうちに、それぞれの容疑者がそれぞれのかたちで殺人に加担していることがわかります。実際に手を下した人だけでなく、殺人を企てた人や協力した人も殺人の罪に問われることを生々しいドラマで伝えています。

次回はフィルムの続きです。お楽しみに!