雪柳の花言葉は、「愛嬌、自由、きままに」。
Atelier Yukiyanagiは、そんな気持ちを大事にしている植物のdesign officeです。
植物の美しさを1人でも多くの人が気づくきっかけになる作品づくりやプロジェクトを行っています。
「料理を『美味しい』と感じる瞬間のような、そんな感動を植物で演出したい」
という思いが、Atelier Yukiyanagi の代表、諏訪さんの手がける作品の原点にあります。
諏訪さんは元々はガーデンデザインを勉強していましたが、インテリア・広告の業界で仕事をしているうち、インテリアや建築と、緑の業界になかなか接点が少ないことに気づきました。多くの人が緑の大切さに気づくためには、緑の業界がもっと他の周りの業界と交わっている必要があると感じた諏訪さんは、今までの経験と学んできたガーデンデザインを活かし、インテリアや広告業界と、緑の業界の間を行き来し、植物を使った空間作りや植物をテーマにしたプロジェクト作りをするデザイナーになることを考えました。
Atelier Yukiyanagi は現在、商業施設の植物を使ったインテリアデザインやガーデニングの他に、メーカーと共にガーデニングに関する商品を共同開発しています。
植物にも漢方が効く?!人とグリーン、地球のすべてに優しいガーデニングプロダクト「KampoGarden」
KampoGardenも、諏訪さんが開発した、ユニークな家庭用グリーンプロダクトの一つ。
KampoGarden(カンポウガーデン) は、NPO法人 漢方環境安全対策普及協会が考案した漢方未来農法を応用し、家庭の室内向けグリーンのために作られた、活性剤や害虫回避剤などのプロダクトのシリーズです。
「漢方未来農法」は、人も植物も同じという視点で、人に対する漢方の治療を、植物に応用しています。
天然の栄養分だけで植物を育てるので、植物にも人間にも、地球にも優しいんですね。
元々は農薬で体を壊された農家さんのために開発されたもので、現在では老人ホームや公共性のある場所などの緑化事業などにも使われています。
その発想にのっとり、KampoGardenは、キンギンカ、ハッカやダイオウなど、漢方に使われる植物を、化学処理を一切行わずにそのまま用いて作られています。
「漢方薬を土に混ぜて植物を育てる漢方農法に出会った時に、一目惚れというか、なんてすばらしいものだろうと感激をしました。」
有機栽培や自然農など、オーガニックな栽培方法で育てられた食品への人気が高まる中、「漢方」に着目し、家庭でも実用できるプロダクトに落とし込んだのは、なんともユニークですよね。
植物と人、農業の安全の3つに携わってゆく
Atelier Yukiyanagiは、子供たちに向けた植物を使ったワークショップも開催しています。
現在の農業・林業や植物の業界で最も大きな問題となっているのが、原発事故による放射能問題。
「食の安全」と放射能が、切っても切れない関係になってしまった今、漢方農法をサポートしている諏訪さんは、この問題についてどう考えているのでしょうか。
「食の安全性については、消費者が正しい情報を獲得できるように、情報を発信できる人が必要と考えています。
昨年の秋に収穫されたお米まで、値段が下がったり、返品されたりと考えられないことがおきています。消費者1人1人がもっと正しい情報を整理する能力、販売店からの正しいクリアな情報の発信の仕方が求められていると思います。
私も福島県の漢方農法の農家の方のサポートを少しでもできないかと試みているところです。
植物は、空気をきれいにしてくれる作用があります。いつの時代か私達人間を助けてくれる日がやってくると願いたいです。」
美しいデザインだけではなく、人とグリーンの未来、食べものの未来にまで視野を広げ、その3つにとって本当に良い試みを探求するAtelier Yukiyanagi。
これからどのような活動を行ってゆくのか、楽しみですね。