カンヌ2011受賞の社会派広告、シリーズも8回目になりました。だんだんアクセスの数も減ってきているようですが、まだまだ面白い広告が登場しますよ!今回はインターネット広告のサイバーライオンからご紹介します。
【GOLD】
●UNBEARABLE / DSCR ROAD SAFETY
これは飲酒運転防止のためのWEB用バイラルムービーです。フランス語なのでセリフの妙はわからないのですが、かなりグロい映像です。お酒を飲むことそのものが怖くなります。
【SILVER】
●ATTRACTION / INPES
以前greenzの記事でも取り上げた、日本のアニメーター森本晃司率いるスタジオ4℃によるWEBコンテンツが受賞しました。ティーンにとってタバコはちょっと背伸びした自分を演出できる反逆の象徴。でも実はタバコ中毒になることは大企業の資金源になるようなもの。カッコつけたいからといちど手を出してしまうと操られ続けるようになるタバコの害を、クールなインタラクティブ・アニメで伝えています。コンテンツそのものもクールですが、「AKIRA」を手がけたアニメーターを起用したフランスのお役所は相当クールだと思います。
【Bronze】
●THE GIRL STORE
/ NANHI KALI, K.C. MAHINDRA EDUCATION TRUST
世界では売春や結婚が目的で人身売買される女の子がたくさんいます。このサイトは、女の子が教育を受けるために必要な商品を買うことで、彼女たちの人生をを応援できるようになっています。ショッピングサイトの体裁になっていて、単なる寄付ではなくプレゼントを贈るような楽しさがありますね。このウェブサイトはなんと一週間に数百人の女の子が学校に通えるほどの資金を調達することに成功したそうです。
●A GIRL STORY
/ NANHI KALI, K.C. MAHINDRA EDUCATION TRUST
先ほど紹介した「THE GIRL STORE」と同じNGOによるウェブです。メインのコンテンツはアニメーション。貧しい女の子を主人公にしたアニメが、横スクロールという珍しいかたちで展開していきます。彼女が幸せになるストーリーは、寄付が集まらないと進まないようになっています。いまウェブでは完成したアニメが公開されていますが、学校にも行けず、遊ぶことも許されかった女の子が、寄付が集まることで変わっていく様子が段階的に伝わります。アニメの続きを見せるという仕組みをつくることで、寄付を集めるということと、その意義を伝えることを同時に達成しているんですね。
●SCHOOL LAND / UNICEF
これはユニセフがフェイスブック上につくったアプリです。学校をつくるゲームのようになっていて、机や本など、学校に必要な物を買うことでアプリ上に学校ができていきます。そして、その学校はアプリ上だけでなく、実際に建てられます。このアプリは成功を収め、まずはザンビアに学校がつくられました。そして次はエチオピアでのプロジェクトが立ち上がっているそうです。ソーシャルメディア×バーチャルリアリティ×リアリティという仕組みは、現場で地道に活動を続けているNGOだからこそできることだと思います。
カンヌ2011受賞の社会派広告、まだまだ続きます。
次は、デザイン部門の受賞作からご紹介します。
お楽しみに。
※これまでに紹介した以下の部門からの受賞作と重複するものは省いてあります。
・Promo & Activation Lions
・Direct Lions
・PR Lions
・Media Lions
・Outdoor Lions(1)
・Outdoor Lions(2)
・Press Lions
☆翻訳協力:@t_saori