誰もが自由に教え学ぶ学校、自由大学で新しい講座がスタートします。その名も「島学」。
昨年、greenzでも紹介した離島経済新聞がスタートしました。日本全国の離島に焦点を当て、各島のもつ良さを紹介しながら、島と島、人と人をつなぐプラットフォームを提供していこうという活動です。
離島経済新聞でも伝えられていることですが、日本は世界的に見ると島国。今、「島を考えることは、日本の未来を考えること」につながる、というテーマを掲げた講座が、自由大学でスタートします。
そんな島が持つその土地本来の資産をもとに、島を拠点にした新しい生き方や社会との関わり方を考える新講義「島学」。
なぜ、人は島にひかれるのか。
自分の好きな島は?
新島やイビザ島にみる島の可能性とは?
島という限られたコミュニティの中で過ごすことで、いろいろな関係性が見えてくるようになるのではないでしょうか。人と人、人と自然、自然と自然。その視点はこれからの世界で生きていく上で、とても大切な視点だと思います。
2拠点での居住を考えているという方や、日本の各地に拠点を持ちたいと考えている人にとっても、島に行く、住むという選択は、おもしろいものとなるのではないでしょうか。実際に「島」を選択しようと思ったときのための準備なども「島学」では学ぶことができそうです。
「島学」で学ぶことは、島のもつ魅力的な資産をただ楽しむだけでなく、自分のやりたいことと結びつけ、アクションを起こしていくきっかけとなるかもしれません。
キュレーター:橋本直人さんのインタビュー
島を考えることは、日本の未来を考えること
キュレーター橋本直人さんよりメッセージ
2009年の11月、新島の「saro」(民宿&カフェ)に行ってから、とっても魅力的な方にたくさん出会いました。その人達は、島との密接な関係づくりやカフェの運営にまっすぐ向き合い、みんな強い情熱と想いがありました。僕はこの熱さを一つに繋げたいと思いました。今回の教授は皆、多くの経験を有するだけでなく強いパッションを持っています。彼らの話を聞いた方は何かに突き動かされ、何らかの行動をしたいという衝動にかられることでしょう。そして、それが皆さんにとってのファーストステップ、自己実現の第一歩になればと願っています。
僕も、島の魅力に取りつかれ、ここ1年は、週末によく新島に行きました。今ではずいぶん知り合いも増えました。平日は会社員、週末は島で過ごす。週末、2地域暮らしなんです。最近では、仲間と小さな「新島ファーム」をつくっていますが、いずれはさまざまなコンテンツを集約したビィレッヂにしたいと考えています。この新島ファームに関わるメンバーはほとんどが普通のサラリーマンです。平日はむちゃくちゃ働いて、金曜日の夜、竹芝桟橋22時発の大型船にみんな駆け込みます。新島には翌朝8時に到着。そこで待っているのは、美しい海、暖かい人達、自分と向き合える時間。もう一人の自分がいるのです。東京にはない特別な空気感。
都心と島。働くことと活きること。生きていくための暮らしと豊かな暮らし。欲しくもない情報と求めないと入らない情報。自分にできること、自分にしかできないこと。都心では得られない非日常的な心の拠り所が島にはあって、僕らの欲しいモノを島は温かく見守ってくれます。
島にはいっぱい宝物があって、やる気になれば、島は全部受け入れてくれる。「好きな場所で、好きに生きる」これは難しいようで、やってみると意外とできてしまいます。あなたの自己実現ができた結果、島もHAPPYになれば、非常に社会貢献度の高い、グッドサイクルができる。それがまた、地方活性化の一つの答えとなって世の中にインパクトを与えます。さあ、みんなで大きなうねりにしませんか?
こんな方に参加して欲しい
- 島に興味があるけど、きっかけが見つからない方
- 2地域居住に興味がある方
- 3秒でやりたいことが言えない学生、就職活動中の方
講義内容
第1回 「島を知る」
無人島も含めれば、6000以上もある日本の島々。世界からみれば、日本も離島のひとつ。観光情報だけでは見えてこない島の現状と問題点、そこから見えてくる島の持つ可能性について「離島経済新聞」編集長の鯨本さんにお聞きします。
ゲスト教授:鯨本あつこ(離島経済新聞 編集長)
大分県出身。超直感型行動派の編集者。主な経歴は、地方ファッション情報誌の編集、地方カルチャー誌のコラム執筆、イラストレーター、某ビジネス誌の広告ディレクターなど。人生の目標を考えるにあたり、「地域」「コミュニケーション」「デザイン」「編集」のキーワードに引き寄せられ、黒崎輝男学部長が率いるスクーリング・パッドに参加。奇跡的に愉快な仲間達と出会い、離島経済新聞を立ち上げる。
第2回 「島を探る」
島に隠された資源、島民がまだ気づいていない島の新たな魅力をどのように見つけ出すか。その方法論や、島民や島外者との関わり方、コミュニケーションについて、「studio-L」代表の山崎亮さんに、島根県海士町や兵庫県家島、岡山県笠岡諸島などのまちづくりの事例をもとにお聞きします。
ゲスト教授:山崎亮(studio-L 代表)
大阪にあるランドスケープデザイン事務所「studio-L 」代表。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザインなどに関するプロジェクトが多数。島根県の離島、隠岐島にある海士町が策定した第4次町総合振興計画「島の幸福論」のプロジェクトで、2010年グッドデザイン賞を受賞。
第3回 「島と繋がる」
もともと閉鎖的な島という世界のなかで、自分の居場所をつくるにはどうしたらいいか?新島にそれまで無かったカフェと宿を併設した施設「saro」をつくった「東京R不動産」の林厚見さんに、島に必要とされる拠点を作るためのノウハウをお聞きします。
ゲスト教授:林厚見(東京R不動産)
不動産のセレクトショップサイト「東京R不動産」の運営や、建築・不動産の開発・再生の企画・設計などを手掛ける株式会社スピークの共同代表。デザインとビジネス、ソフトとハードの統合を軸に数々のプロデュースワークを行っている。もともと民宿だった建物をリノベートした新島の「カフェ+宿 saro」は、地元の方の憩いの場となっているほか、島内外のクリエイター等が集まる人気の空間となっている。
第4回 「 」
第4回のテーマはあえて決めていません。
ゲスト教授をお呼びしてお話を聞くのもいいですし、受講生同士でディスカッションする場でもOKです。受講生のみなさんと話し合いながら、一緒にテーマを決めたいと思います。
第5回 「島と動く」
島で何かやりたいと思ったとき、何からはじめればよいのか。新島島民も楽しむ音楽イベント「WAX」は、どんなキッカケや情熱で生まれたものなのか。「WAX」を主宰するアートディレクター/グラフィックデザイナーのK-39さんに、島民、島外人も含めてみんなを巻き込み、プロジェクトを成功に導く方法をお聞きします。
ゲスト教授:K-39(WAX 主宰者/アートディレクター/グラフィックデザイナー)
1999年渡米(サンフランシスコ)八木保に師事し、2001年帰国。ファッション、インテリア業界のクリエイティブワークを中心に活動中。ライフワークの一環として、伊豆七島「新島」にて夏期ビーチラウンジ/イベント「WAX」を主宰。音楽フェス「WONDERLAND」の企画・運営、サーフトランクス「Gorilla Tacos」の企画・販売、オリジナルブランド「JUILLET NINTH」設立など、固定概念にとらわれず、様々な分野での活動を展開している。
「島」に興味がある方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか。