サッカーは、世界中の子どもたちに人気の高いスポーツ。健康なカラダ作りに役立つだけでなく、チームプレイや自立心の育成など、教育上も様々なメリットがあります。しかし、アフリカの多くの地域では、貧困のため、サッカーボールすら買えず、“お手製”のボールで遊ぶ子どもたちも多いそう。そこで、この課題の解決に取り組んでいるのが、「Alive & Kicking」です。
「Alive & Kicking」は、2004年、「子どもにボールを、大人に雇用を、そして、スポーツを通じた健康への啓発を!」というキーフレーズをもと、英国人Jim Cogan氏によって創立されました。以来、ケニアやザンビアの工場で30万個以上のサッカーボールを製造し、100名以上の雇用を創出しています。サッカーボールの原材料には、現地で生産された天然ゴムを利用。五角形にカットした後、地元の職人がこれを手で縫い合わせ、ボールに仕上げていきます。耐久性に乏しく、一度傷むと直しづらい輸入品と異なり、「Alive & Kicking」のサッカーボールは、アフリカのデコボコしたフィールドでも丈夫に使え、修理しやすい設計になっているとか。また、すべてのボールには、アフリカで深刻なHIV/AIDSやマラリアといった疫病への対策メッセージが印刷され、子どもたちへの啓発に役立てられています。
「Alive & Kicking」の活動は、欧州サッカー連盟(UEFA)や英国国際開発省(DFID)、UK Sportなどの組織をはじめ、米バラク・オバマ大統領、英ヘンリー王子、コートジボワール代表のサッカー選手ディディエ・ドログバなど、世界のセレブリティもサポート。中でも、欧州サッカー連盟は、「Alive & Kicking」の発足当初の2005年、81,000個のサッカーボールを発注し、アフリカの子どもたちにこれらを寄付。「Alive & Kicking」を支援しながら、子どもたちにサッカーの楽しさを伝える活動へとつなげています。
雇用がない、衛生環境が整っていない、教育も十分行き届かない…。
このような「ないないづくし」の状況を打破し、持続可能なコミュニティづくりを実現する上で、サッカーボールを通じて地元に雇用を生み出し、子どもたちの健全な心身の成長を促す「Alive & Kicking」の活動は、有効な取り組み事例といえそうです。
「Alive & Kicking」のサッカーボールを使ってみよう。