「神さま、仏さま、◯◯さま」とは、「◯◯さま」を讃える言葉でありますが、別の見方をしてみれば、日本人にとって「神さま」と「仏さま」が実に身近な存在であることを示しているように思えます。
この点、greenz読者の皆様におかれましてはいかがでしょうか?
昨今、神社ブームとも仏教ブームとも言われますが、その実態はいかほどなのか、気になるところでございます。
かく言う小生は、道すがら神社やお寺を見かけたときは、立ち寄ってお参りするようにしています。これを「身近」と言えるかどうかは分かりませんが、こんな距離感で神さま仏さまとお付き合いしております。
と、前置きはこの辺りにして、<勝手に日曜美術館>第二弾のご案内です。
先日初挑戦したばかりではありますが、望外の面白さに病みつきになり(レポートはこちら)、早速ながら第二回目を開催しようと思った次第です。日程は9月23日(木・祝)、「日曜日」ではありませんが、悪しからず。
今回のテーマは、「日本の神さま仏さまに会いに行こう!」です。
この流れからすると、「神社仏閣ツアーかしら?」と思う人がいるかもしれませんが、「神さま仏さまに会いに」行くと言っても、神社仏閣巡りではありません。
今回のツアーはこんな感じです。
今回訪ねるのは、「永青文庫」と「大倉集古館」の二つの美術館。
それぞれ、「神と仏 日本の祈りのかたち」、「欣求浄土(ごんぐじょうど)~ピュアランドを求めて」という企画展を開催しています。
仏さまは、仏像や仏画のイメージがありますが、神さまは、像や画のイメージがあまりありません。一体神さまとどんな風にご対面できるのか?
永青文庫「神と仏 日本の祈りのかたち」展
「永青文庫」の「神と仏 日本の祈りのかたち」案内を見てみると、神さまについては、神社の縁起(由来)や祭礼の絵巻、「日本書紀」や「風土記」などの神々の物語を描いた資料・古書を展示しています。神さまの姿を直接拝むのではなく、神さまの存在をそこはかとなく感ずべし、ということでしょうか。どんな出会いになるのか、小生も楽しみなところです。
中でも個人的に注目しているのは、京都・北野神社の由来を描いた「北野天神縁起絵巻」です。出光美術館の屏風展のインタビュー記事で、この絵巻から題材を取った作品をご紹介しましたが、現代日本アニメに連なる技法も見ることができるのではないかと思います。
もちろん、仏さまも見どころ満載です。仏像・仏教彫刻をはじめ、力強い筆のタッチが雄々しい白隠と、ユーモラスで柔らかい画風の仙厓、二人の禅画を同時に楽しむことができるそうです!何ともありがたや。
大倉集古館「欣求浄土(ごんぐじょうど)~ピュアランドを求めて」展
「大倉集古館」の「欣求浄土(ごんぐじょうど)~ピュアランドを求めて」は二つの意味で心を掴まれました。
一つはそのタイトル。
そうです。「浄土」は「ピュアランド(the Pure Land)」と言うのですよ。
小生、美術館やお寺に行ったときは、英語の解説文にも極力目を通すようにしています。日本の文化を英語でどう説明しているのかが気になります。
その日英あわせ読みの中で、最も驚いた発見が、「浄土」=「ピュアランド」でした。
小学校以来、社会科や日本史の授業で、平安時代末期に「浄土信仰」が盛んになって云々というのを習ったことを覚えている人も多いでしょう。そのとき以来の小生のイメージは、「浄土」=「あの世」というものでしかありませんでした。
そうではなくて、「浄土」とは「ピュアランド(the Pure Land)」、展示の案内文にあるように、「人々がこの世の苦しみを離れ、正しく教え導かれる理想郷」なわけです。そう言われれば、字面も「浄い(きよい)土」と、名が体を表しています。
ふーむ。何と浅はかな見方をしていたことか……。
そしてもう一つは、チラシの図柄です。
阿弥陀如来の表情といい、色遣いといい、ポップというかコミカルというかキャッチーというか、仏教にありがちな小難しさ(失礼!)と対極にある印象を受けました。こんな仏さまなら気軽に会いに行ける、そんな気がしたわけでございます。
神社好きもお寺好きも、はたまたこれまで神さまにも仏さまにも興味がなかった人も、これを機会に、神さま仏さまとお近付きになりにいきましょう!
なお、今回ダブルヘッダーですが、途中抜け・途中参加ももちろん可能です。皆様のご都合でお気軽にご参加くださいませ。お申込みは、ツイッターで@kayackまで、【勝手に日曜美術館参加】とご連絡ください。
訪ねる美術館はこんなところです。
「永青文庫」は、細川護煕元首相を生んだ、近世細川氏の家系に伝来する文化財を保存・研究・公開している美術館です。過日、東京国立博物館にて、「細川家の至宝」展が開催されましたが、その展示品もほとんどが「永青文庫」所蔵のものでした。
なお、近世細川氏の祖・細川幽斎とその子・細川忠興は、給湯流の皆様が愛してやまない『へうげもの』(作・山田芳裕、刊・講談社)にも登場しています。
目白台にある「永青文庫」は、江戸時代には細川家の屋敷があったところでした。当時の面影を感じさせるものがあるかどうかは、小生もまだ行ったことがないので分かりませんが、それを探すのも一つの楽しみ方かもしれません。
「大倉集古館」は、「帝国ホテル」や「帝国劇場」を設立した明治・大正期の実業家・大倉喜八郎が開いた日本初の私立美術館です。長男・大倉喜七郎が建設した「ホテルオークラ」は大倉集古館に隣接しています。
ここには、企画展示の他にも大きな見どころがあります。それは、国宝の「普賢菩薩騎象像」(平安時代・12世紀)。写真をお見せできないのが残念ですが、何とも気品に満ちた仏像です。正直なところ、これだけでも観に行く価値があると思います。
当日の流れ
JR「目白」駅東口集合:10時
*集合場所の詳細は、下記の「集合場所」欄を参照ください。
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(移動:バスないしタクシー+徒歩で15分程度)
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永青文庫へ到着:10時15分頃
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(展示を観覧:1時間半程度)
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永青文庫を出発:12時頃
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(移動:徒歩15分程度+道すがら昼食)
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有楽町線「江戸川橋」駅へ到着:13時頃
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(移動:電車15分程度)
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南北線「六本木一丁目」駅へ到着:13時15分頃
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(移動:徒歩5分程度)
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大倉集古館へ到着:13時20分頃
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(展示を観覧:1時間半程度)
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大倉集古館を出発:15時頃
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(近くのカフェへ移動+しばし歓談:心ゆくまでw)