先月、環境先進国デンマークの首都コペンハーゲンにあるホテル「クラウンプラザ・コペンハーゲン」より、あるプレスリリースが発表されました。
そのタイトルが、
OUR GUESTS ARE ELECTRIC (我々のお客様はエレクトリックです)
というもの。
何のこっちゃ!?そう思いますよね。このホテルには変な客ばかりが来るのでしょうか?
いやいやECCENTRIC(エキセントリック)ではなくELECTRIC(エレクトリック)、つまり“電気的な”という意味です。
でも、お客様が“電気的”とは一体どういうことでしょうか?
実は、このホテルでは、世界で初めて宿泊客が発電した電力をホテルに供給できるシステムを取り入れたのです。プレスリリースの内容を見ると、そのシステムとは以下の通り。
1. ホテルのフィットネスジムに、ペダル式発電自転車を設置(発電量は数値で確認できる)
2. フィットネスを楽しむ客によって発電された電力がバッテリーに蓄積された後、ホテルの主電力供給部にフィードバックされて、ホテル全体の電力消費の助けとして使用される
3. 10ワット時以上の電力を発電した客には、ホテル側からご褒美として200DKK(約3400円)相当の食事が提供される
つまり、お客様が気持ちよく汗を流しながら、ホテルの省エネにつながるという、まさにWIN-WINなシステムなのです。そして、重要なポイントは“がんばったで賞”的なご褒美があること!これ、単純に燃えますよね。
さまざまな環境テクノロジーを備え、カーボンニュートラルを目指す世界で最も“グリーン”なホテルの一つと言われる(The Independent記事)同ホテルでは、今後このシステムを他の系列ホテルでも導入できるか検討していくようです。
ビジネスにおいても環境に対して責任を持つことが当たり前となった時代、ホテルもただ美しく豪華で、ただサービスが良いだけでは他と差別化できません。そんな時代に、今回の「クラウンプラザ・コペンハーゲン」が開始した取り組みは、環境先進国ならではのおもしろい発想と言えるでしょう。
以前、greenz.jpでも発電するダンスフロアを取り上げましたが、世界では様々なおもしろいシステムが登場してきています。
今後、“サステナブル(持続可能)”な社会のあり方を考える上で、人々が楽しみながら取り組めるようなWIN-WINなシステムって本当に魅力的ですよね!
加えてご褒美まであれば……環境に対する取り組みって大きく変わると思いませんか?
クラウンプラザ・コペンハーゲン