海のレジャーが楽しい季節、足元のおしゃれといえばビーチサンダルですね。比較的安価でカラフルなバリエーションを楽しめるのが魅力ですが、世界中の海には大量のビーチサンダルが漂流し、海や海岸を汚しているとか。そこで、この課題をクリエイティブに解決する取り組みがこちら!
ケニアの「UniquEco Designs」は、ケニア北部の海岸に流れ着いたビーチサンダルを使って、おもちゃやアクセサリー・雑貨を製作し、フェアトレード商品として販売しています。
この活動を立ち上げたのは、元WWF(世界自然保護基金)職員で海洋専門家のジュリー・チャーチ(Julie Church)さん。インド洋に面するケニアの海岸では大量のサンダルが漂着し、海岸の景観を損なわせているのみならず、孵化したウミガメが海にたどりつけなくなったり、海洋生物が誤飲するなどの現象が発生しているそうです。そこで彼女は、美しい海を取り戻し、かつ周辺住民の経済的自立を促す方策として、漂着したサンダルを使ったリサイクルアートの製作・販売を思いつきました。ワークショップなどを通じてスキルやノウハウを伝えるなど、現地のアーティストを育成し、彼らの創作活動をサポートしています。
これらの商品づくりはまず、海岸に打ち寄せられたビーチサンダルの回収からスタート。それぞれ長方形にカットし、数枚を貼り付けて大きめのブロックにしたら、これが「材料」になります。こちらの自動車モチーフの置物のように、三次元のグッズを作ることもできますし、
キーホルダーのような小さな雑貨に仕上げることもできます。どれも、ビーチサンダル特有のカラフルさが生かされ、ポップでかわいらしいですね。
ちなみに、こちらはコースター。いずれの作品も、地元のアーティストがひとつひとつ手作りしている逸品で、形も色も「オンリーワン」です。
「UniquEco」の優れている点は、地元の人々のクリエイティビティを生かし、アートを介して海の環境保護活動を展開しながら、地域をも活性化させていることでしょう。彼らの活動は、サンダルであふれていた海岸を大幅に改善させ、作品を通じて、多くの人々に海の環境保護の大切さを啓発しています。また、地元では150名以上の新たな雇用が創出され、住民の経済的自立にもつながっているという“一石三鳥”の取り組み。アートを通じてヒトと地球との共生を実現するステキな事例だと思いませんか?
UniquEco Designsのビーチサンダルアートを見てみよう。
不用品から生まれ変わったリサイクルファッションについて調べてみよう。