『生きる、を耕す本』が完成!greenz peopleになるとプレゼント→

greenz people ロゴ

バックミンスターフラーに続け!持続可能な世界に向けた国際コンペ開催

Buckminster Fuller: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by silversalty

Buckminster Fuller: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by silversalty

この写真の男性、誰だかご存知だろうか?

答えは、バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller)。20世紀に建築・発明・デザイン・思想など、様々な分野で活躍した米国人だ。彼は「環境に負荷をかけたり、誰かの害になることなく、100%人類のための世界を作ること」を究極の目標として、持続可能な世界の実現のための方策を生涯にわたって探りつづけた。そんな彼の志は、この21世紀、国際デザインコンペティション「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」を通じて、次の世代に確実に受け継がれている。

「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」は2008年から毎年開催されている国際デザインコンテストだ。以下の動画でそのコンセプトが紹介されているとおり、世界が直面している課題に対し、明確なビジョンを持って、デザイン・技術・芸術など様々な分野を融合させ、具体的な解決策を世の中に提示しているプロジェクトを表彰するというもの。2009年のコンテストでは、250以上もの応募の中から、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology・MIT)の学生チームが取り組んだ電気自動車の都市型シェアリングシステム「Sustainable Personal Mobility and Mobility-on-Demand Systems(SPM/MoD)」が優勝した。

The Buckminster Fuller Challenge from Buckminster Fuller Institute on Vimeo.

「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」を主催しているのは「Buckminster Fuller Institute」という米国の団体だ。フラーの思想に感銘を受け、人類と地球の健全な共存を実現するため、その解決策の立案・実行を推進させるべく、1983年に設立された。デザイン・芸術・建築・科学・経済学・環境・教育など、様々な分野が切磋琢磨し、融合することで、フラーが唱えた世界観を受け継ぎ、さらに発展させたいと考えている。

現在、ニューヨークを拠点に、学術界、実業界、政治、非営利団体など、異なる分野の活動を融合させる場として機能するとともに、公式ウェブページでは「IDEA INDEX」というデータベースを共有。「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」に過去エントリーされた案件も含め多くの革新的なアイデア・プロジェクトの内容を公開し、それぞれの分野で日々研究開発を進める人々や彼らを資金面で支援する投資家・寄付団体などのオープンなオンラインコミュニティとなっている。

「グリーンエネルギー」や「カーボンフットプリント」などという言葉すら存在しない1940年代、すでにフラーは「人類は環境に配慮した活動を行うべきだ」と訴え、そのための解決策を追求し続けた。それから70年ほど経った今、奇しくもフラーと志を同じくする研究開発などの取り組みが世界中で行われている。「BUCKMINSTER FULLER CHALLENGE」や「IDEA INDEX」などの表出の機会や情報プラットフォームは、個々の取り組みを共有する場として大いに意義がある。このような場を活用することで、取り組み内容やアイデアを互いにシェアし、刺激を受けあい、シナジー効果やポジティブな化学反応が生まれるだろう。このような一歩一歩が持続可能な世界への前進につながるに違いない。

グリーンな起業家をサポートするサイト「Small Wonders」について調べてみよう。