都会のド真ん中、銀座で何万匹ものミツバチが飼育されているのをご存知だろうか? このミツバチからハチミツを採集し、それを商品化にするという地産地消の取り組みが銀座3丁目のビルの屋上で行われている。
これを手がけるのは、「銀座ミツバチプロジェクト」というNPO法人。2006年よりミツバチの飼育を開始、当初3万匹だったミツバチが、2007年には15万匹に増え、ハチミツの採集も順調だという。2007年には3ヶ月でなんと260キロものハチミツが採れたというから、驚きだ。この量は、プロジェクトの当初の予想をはるかに上回るという。
しかし、なぜ緑の少ないこんな街中でハチミツの採集ができるのだろうか?
ホームページによると、ミツバチがハチミツを運べるのは約4キロ四方。この範囲には、浜離宮や皇居、日比谷公園などの緑地が存在し、ソメイヨシノ、マロニエ、ユリノキなどの樹木からさまざまなフレーバーのハチミツが採れるという。
採れたハチミツは、『銀座で採れたハチミツは銀座に来なければ食せない』という条件と、プロジェクトの趣旨に賛同してくれたお店でのみ商品化され、販売される。これまで、有名店のケーキや和菓子、バーのカクテルなど、さまざまな商品に使われ、銀座で販売されてきた。ハチミツマドレーヌやハチミツ羊羹など、どれもおいしそうで魅力的なものばかり!ハチミツが銀座の特産品になる日も近いかもしれない。
ハチミツの栽培は、生態系を回復させることに役立つ。ミツバチがハチミツを採取したことにより、近隣の木々は受粉し、実を付け、小鳥がその実を食べに集まってくるからだ。
ミツバチを飼っていることで、今まで見えなかった都市を支える自然環境が見えてきました。
という言葉どおり、普段街を歩いているだけでは感じられない生き物たちの“つながり”を実感することのできるプロジェクトなのだ。
銀座にミツバチ。刺されそうで怖い、と思ってしまうかもしれないが、こちらから危害を与えない限り人に積極的に襲ってくるようなことはないので、ご安心を。都会でも生き物と共生することの大切さを教えてくれる銀座のハチミツ。商品を見つけたらぜひ味わってみよう!