チベット問題に揺れる北京オリンピックの聖火リレー。13日にタンザニアでトーチを受け継ぐはずだった、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんがランナーを辞退した。チベット市民に武力を行使した中国政府への抗議が、その理由だ。
グリーンベルト運動を手がけるマータイさんは、化石燃料を用いて急速な発展を遂げつつも、大規模な植林を行うなど「緑のオリンピック」を目指す中国の取り組みを評価し、1度は聖火ランナーを引き受けた。しかし、中国政府の武力弾圧によって多くの死者を出したチベット問題によって事態が一変。ミャンマー政府による反政府デモへの武力弾圧やダルフール紛争問題にも言及し、
「世界の訴えを聴くことで、中国はこれらの問題を全て変化させることができる」
という意思表示として、聖火ランナーを辞退することとした。平和を願うマータイさんにとってはなんとも辛い決断だったに違いない。
一連のチベット騒乱に対しては、ダライ・ラマ法王は
命を失ったチベット人同様、中国人にも哀悼の祈りを捧げています。
と表明。全世界のチベット人に対してあくまでも「非暴力を実行し、非暴力の道」を貫くようにとメッセージを寄せている。一方、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所は、日本国民からの多くの支援に対する感謝の意を表明した。
現在、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所ではブルー・ブック・プロジェクトや、チベットハウスなどの支援活動を展開中。また、「チベット式悩み相談室」などのコンテンツも充実しているので、1度アクセスしてみてはいかがだろうか?