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日本海を見ながら「砂浴」を体験してきました

日本海を見ながら「砂浴」を体験してきました

越前加賀国定公園は、福井県と石川県の県堺に位置する日本海に面した海岸線にあります。

石川県側は加賀市の北側に位置し、塩谷・片野・黒崎等の海岸が続きその広さは600万坪といわれています。今回私は片野海岸での砂浴を数人の友人達と体験することにいたしました。

台風が九州に向かっているため朝のうちは雨もぽつぽつ降っていましたが、なぜか砂浴をしている間は夏が戻って来たかと思わんばかりの天気になりました。朝のおまじないが利いたかもしれません。日本海は青く澄み空は高く薄い初秋の雲がたなびいています、とんびが円を描きながら悠々と飛んでいます。頭を海のほうに向け空と海を眺めながら体を砂の中に埋めてもらいました。首から下に均等に砂の重さが感じられましたが、重たいという感じも無くしっとりと砂に包まれているという安心感さえありました。数分しますと足の膝あたりが どくんどくんと脈を打ち始めます。お腹の周りがちくちくしたり、胸のあたりが痒かったり、その症状はかすかなものでしたので不安にもならず、隣の友人としゃべりながら時間は過ぎていきました。

日ごろこんなに何もしないでじいとしていることなんてあり得ません。動きが取れないことの不便さより、空に浮かぶ雲の流れに目をやり、波の音に耳を傾けられる、そんな状態がとても快適に感じられるようになりました。大地との一体感を味わうことができた貴重なひと時でした。

青い空の下でのんびりデトックス
穴掘り用のスコップを日よけにも活用

砂浴の効能は昔から自然を使った治療法として珍しいことではなかったようですが、近頃は海も汚れ砂浜もごみだらけになって、体をたくせるような場が少なくなっています。片野海岸は、見渡すかぎりの白浜で普段から人気が無く本当に淋しいくらい静ですが、砂浴にはとても適しているのだと痛感しました。

夏でさえこんなに人が居なくていいのかしらと心配しましたが、砂浴のためにここは用意されていたにちがいないと、勝手に納得し満足してしまいました。

日本海側の景色には日頃から気高いものがあると感じていました。人に荒らされていない分本当に美しいのですが、そこに住む人達が見慣れているせいかその美しさに気ずいていないことには驚きます。片野海岸も例外ではありません、私は日本一美しく清潔で雄大な所だと、ここの景色に誇りを持っています。都会から一寸遠いということで、忘れられている美しい所は日本中にたくさんあるはずです。日頃の忙しさから離れて静かな自然に向かい合ってみてはいかがでしょうか。何も無い貴重な場所で、たまには自分に優しくしてあげてほしいと思います。

さて砂浴を終えて、砂から出てみますと、体が軽く感じられ、体全体についた砂は体温で温まりさらりとしていて、手で払っただけですんなり落ちてしまい、すこしもべたべたしませんでした。砂は体の悪いところには付かないということでしたので、まんべんなく体全体に砂が付いているのを見て、友人達と喜びあいました。