子育ては、楽しいだけではなく、ときには大変なもの。
特に生まれたばかりの赤ちゃんは夜中に何度も起きるので、十分な睡眠をとれずにストレスを感じてしまうお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか?
そんな苦労を少しでも解消するべく、最近では親の代わりに赤ちゃんを見守るベビーモニターが開発されたり、テクノロジーで子育てをサポートしようというプロジェクトが増えている様子。
そんななか、今回ご紹介する「SNOO」は、親の代わりに赤ちゃんを寝かしつけてくれるというのです!
「SNOO」は、小児科医のDr. Harvey Karp(以下、カープ先生)が開発した、ロボットベビーベッド。「親の睡眠不足を解消したい」と考え、5年間の開発を経て完成させたといいます。
実際に、「SNOO」がどのような効果を発揮するのかを見ていきましょう。
横になって寝ている赤ちゃんが、突然泣き出してしまいました。
しかし、「SNOO」だと5秒後に、あら不思議。泣き声はやみ、気づけば全員夢の中。「SNOO」は、あっという間に赤ちゃんを眠らせてくれました!
一体、どのような仕組みになっているのでしょうか?
実は、内蔵されたマイクとセンサーが周囲の雑音の中から赤ちゃんの泣き声を探知し、音と揺れを発生させていたのです。赤ちゃんの状態にあわせて、揺れの強さや音量も自動で調整。
赤ちゃんをやさしく布でくるみ、子宮内で聞こえるホワイトノイズを流しながら揺らすことで、まるでお母さんのお腹の中にいるような環境をつくりだしているのだとか。
さらに、使い方も簡単で、オーガニックコットンでつくられた専用の寝袋で赤ちゃんを包み、ベッドに固定しスイッチを押すだけ!
赤ちゃんはベッドにしっかりと仰向けで固定されるので、SIDS(乳幼児突然死症候群)を防ぐことができます。そして、確実に固定されるまで、「SNOO」が動き出すことはありません。万が一、赤ちゃんが寝袋の外に出たとしても、ベッドと壁の間には隙間がないので、手足を挟む心配もなし。
もしも、3分経って赤ちゃんが泣き止まない場合、「SNOO」は自動的に止まるようになっています。きっとお腹がすいたか、おむつを替えてほしい、あるいはお父さんお母さんが恋しくなったとき。赤ちゃんの元へ早めに駆けつけましょう。
このように機能的で簡単、さらに万一の対策も完璧な「SNOO」。でも、「夜中に赤ちゃんをロボットにあずけるのは不安…」と思う方もいるかもしれません。しかし、ご心配なく。これまでに、300人以上の赤ちゃんでテストを実施し、安全性が確認されています。(出典元)
実際に「SNOO」を試した親は、「睡眠時間が5~7時間に増えました。そのおかげで、仕事もできるし、家に戻ってからも息子と遊べます。こんなに愛くるしい笑顔をした赤ちゃんと一緒にいることがとてもうれしい!」と、喜んでいる様子。
このように睡眠メソッドとテクノロジーが融合した「SNOO」を開発したカープ先生は、こう話しています。
最近の親は、家族のサポートは少ないのに、外での責任は大きい。そんな中で子育てをする彼らは、疲労と闘っています。
「SNOO」が赤ちゃんの寝つきをサポートすることで、お母さんとお父さんがもっと長い時間体を休めてくれることを願っています!
今回の「SNOO」のように、技術は私たちの暮らしの様々な場面で助けとなってくれます。しかし、あえてこの場で伝えたいのは、すべてをロボットまかせにしないこと。子どもが泣くのは自然なことで、親もあやし方を学ぶ必要があります。
いっぱい抱きしめてあげたり、一緒に笑ったり。テクノロジーを上手く利用して生まれた余裕を赤ちゃんに注ぐことで、より深い愛のこもった子育てができるようになるかもしれません。
[via CURBED, SNOO, YouTube, FORTUNE, News.com.au,WIRED]
(Text: 棚元ひな子)
(編集: スズキコウタ)