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ホームレスも、私たちと同じ人間! 危険と隣り合わせの路上生活をしている人々に贈る、外壁に設置可能なシェルター「parasitic pods」

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みなさんは、仕事や用事で遅くなって真夜中の道を歩くときに、不安になることはありませんか? 特に人通りや街灯が少ない場所だと、身の危険を感じて、つい早足になってしまう方もいるかもしれません。

そんななかで、どの街にも経済的事情などで家を失い、路上で生活するホームレスがいます。実際、厚生労働省の発表によると、日本には現在路上生活を送っているホームレスが6541人もいると言われており、彼らは時に身の危険を感じながら、今日も路上で夜を明かしているのです。

今回は、そんな「危険と隣りあわせの家なき生活を送るホームレスたちに、安心して眠る場所を提供したい!」という思いでデザインされたシェルター、「parasitic pods」をご紹介します。

「parasitic pods」を考案したのは、イギリスを拠点に活動する建築技術者のJames Furzer(以下、ジェイムスさん)。ジェイムスさんは、建物の側壁に設置することができるシェルターをつくり、ホームレスに開放しようと考えています。

でも、建物の側壁に設置するというと、耐久性が気になったり、設置が難しいと考える方も多いのでは? その心配は無用だそうです。

ジェイムスさんは、軽い建築素材を中心に設計し、かつ全て規格化された部品を組み立てるだけで簡単に設置できるようデザインしているのだといいます。そして、建物の外観に合わせて部品の色を変えられるので、シェルターが変に目立ってしまい、街の景観に影響を与えることもありません。

さらに「parasitic pods」は側壁に設置が可能なので、ホームレスシェルター用の建物や土地をわざわざ用意する必要も無し。街のあらゆる所に設置することができます。
 
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建物の高い位置に設置するため、シェルターの下を通行人が普通に歩くことも可能!

中に入ってみると、大きな窓から光の降りそそぐ、シンプルで清潔感あふれる空間が広がります。暗い夜道とは対照的な空間で、ホームレスたちは安心して休むことができるはず。
 
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ホームレスの人々も、私たちと同じ人間

毎晩およそ750人が路上で眠ることを余儀なくされているという、イギリスの首都ロンドン。そのロンドンでは、2004年の統計によると、ホームレスの人が暴力に巻き込まれる確率は、通常よりも13倍! さらに、泥棒にあう確率も47倍になるという結果が出ています。

そんな危険と隣り合わせの生活を送るホームレスたちに向けて、ジェイムスさんは現在、「Homes for the Homeless(ホームレスのための家)」というキャンペーンを行っており、indiegogoで寄付を呼びかけています。

ジェイムスさんが、このプロジェクトを始めたきっかけは、とてもシンプルでした。それは、

ホームレスの人々も、私たちと同じ人間である。

という気づき。

当たり前のことのように聞こえますが、ついつい「自分がホームレスになることなんてない」と思いこみ、他人ごとにしてしまう人が多いのではないでしょうか。

「Homes for the Homeless」プロジェクトの目標額は、7000ポンド(およそ129万円)で、現時点では目標額に達していません。しかし、各国のメディアで取り上げられるなど、彼のアイデアは世界中から注目を浴びており、ジェイムスさんは「予想以上にたくさんの好意的な反響を受けとっている」のだそう。
 
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ジェイムスさん

「parasitic pods」を実現させるためには、寄付を集めることが大事ですし、シェルターを設置するためには住民の理解も不可欠です。まだまだ大きなハードルがいくつも立ちはだかっていますが、ジェイムスさんは前向きに、こう話します。

今回のキャンペーンのおかげでホームレスについて議論が盛りあがり、彼らが人間としてあつかわれるようになったなら、このキャンペーンは成功したといえるでしょう。

このコンセプトによってホームレスがいなくなったり、ホームレス問題が一気に解決することは決してありません。そうではなく、ホームレスを救うための一歩になるのだと信じています。

どんな複雑な問題も、個人が思いつき発信した小さなアイデアが、解決の糸口になるはず。実現できるかどうかはひとまず置いておいて、みなさんも「こうしたらいいのでは?」という考えを世界に向かって発信し、議論するところから始めてみませんか?

[via indiegogo, Upworthy, Dailymail, LONDON LIVE, barkinganddagenhampost]

(Text: 向晴香)