爽やかなグリーンが目を引くアディダスの新しいスニーカー。
みなさんは”エコファッション”という言葉を聞いたことがありますか?
エコファッションとはその名の通り、もう使われなくなったものをアップサイクルしたり、リサイクル素材を使用し環境に配慮した、衣服やアクセサリー、靴のことを指します。
近年では、そのエコファッションが注目を集めており、専門のファッションショーやイベントなども行われていますが、もしかしたら環境配慮が優先されることで「本当にオシャレなのかな?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、そんな印象を裏切ってくれそうな、かっこいいスニーカーをご紹介します。
今回ご紹介するのは、スポーツアパレルブランド「adidas」と環境保護団体の「Parley for the Oceans」がコラボレーションして、海に漂っている漁網やプラスチックなどのゴミをリサイクルしてつくったスニーカー。
このスニーカー、一見するとシンプルでかっこよく、機能性も高そうなデザインですが、その繊維や糸は深海用の刺網を解いて再利用しています。また、鮮やかな緑色の刺繍の部分には、トロール漁船が捨てた網がほぼそのまま使われているそうなんです!
また、この網は「Parley for the Oceans」とパートナーシップを結んでいる非営利団体「Sea Shephred」が密漁船の監視を行いながら、110日間かけてアフリカから回収してきたのだとか。
漁網の前に立つSea Shepheredの乗組員たち
2015年2月13日付の米科学誌サイエンスに掲載された論文によると、2010年の1年間だけで、480万~1,270万トンのボトル、袋類、ストローなどのプラスチックが海に捨てられたといいます。
「adidas」と「Parley for the Oceans」の2社は、こういった海洋ゴミ問題を危惧して、今回のプロジェクトを立案。2013年から計画を進めてきたそうです。
とはいえ、まだこのエコスニーカーは試作品の段階。「adidas」は2016年の製品化を目指して、ひきつづき開発中だそう。一方で、このスニーカーはあくまで序章で、今後は同じ製法で洋服をつくることために研究しているといいます。
私たちの目標は、このスニーカーによって海や気候変動などの、今起きている環境問題の悲惨な状況に対する人々の認識を高めること。そして、海を守り、維持するための新しいコラボレーションを起こし続けることなんです。
海のごみが、こんなにかっこいいスニーカーになるなんて誰が想像できたことでしょう?
と話すのは、「Parley for the Oceans」の創設者であるCyrill Gutschさん。
「adidas」と「Parley for the Oceans」のコラボレーションは、環境に配慮した製品だけでなく、この世界の海の悲惨な状況を伝えるきっかけも生み出しています。みなさんもファッションをきっかけに、わたしたちの生きる地球の未来を一緒に思い描いてみませんか?