ISSUE まちづくり

1 year ago - 2015.07.19

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人気のない路地にこそ、まちづくりの可能性が眠っている? シアトルの暗い路地を人が集まる場所へ変える、Daniel Tooleさんのアーバンデザイン

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世界で一番治安の良い都市といわれている東京(参照元)。そんな東京でも、会社や学校から夜遅く帰宅するとき、細い路地を通ることに不安を感じませんか? 明るい時間は歩くことができても、暗い時間帯に細い路地や街灯がない道を歩くことに不安を感じる女性は、きっと多いかもしれません。

そんななか、シアトルでは「暗い路地を改装して、人が集まる場所をつくろう」と、まちづくりプロジェクトが立ち上がりました。

アメリカの西海岸に位置しているシアトル。過去には、イチローが「シアトルマリナーズ」に在籍したことや、スターバックスの一号店があることでも知られているので、馴染み深く感じている方も多いかもしれません。
 
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シアトルの夜景 Some rights reserved by tdlucas5000

実は、私はシアトル近郊で生活しているのですが、華やかなイメージの一方で、薄暗くてゴミ置場になっている路地もたくさんあり、人気がないのでできるだけ通らないようにしています。

そんな人が通ることを避けるような路地を、親しみやすい遊歩道に変身させて、近隣住民の人が集まるようなコミュニティの拠点にしたい! そんな思いで、シアトルを拠点に活動する若手建築家Daniel Toole(以下、ダニエルさん)と行政がタッグを組みプロジェクトが立ち上がりました。実際に、どのようなコミュニティの拠点が生まれるのか見ていきましょう。
 
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現在の様子(左)と完成イメージ図(右)

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街灯を多く設置し、お茶が飲める憩いの場も

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数年前に実験したときは、ワールドカップのパブリックビューイングを開催。

実際にいつまでに完成させるかは明言されていませんが、Seattle Department of Transportationの発表によると、まずは市内の3つの路地からこのプロジェクトを始めていくそうです。
 
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3つの路地は、どれも飲食店などがある大きな通りと交差している路地。でも、一本入ってしまうだけで風景がガラッと変わります。

ダニエルさんは、路地に注目した理由について、このように話しています。

シアトルに引っ越してきたときに、なにか粋なものをこの新しい都市で探したかったのです。

シアトルの路地たちは、仕事や日常といった「都市」の生活から、旅行的な非日常空間へ連れ出してくれると感じました。「路地」には大通りではみることのできない、何層にもなった落書きなどたくさんの歴史がつまっていると思います。

メルボルンや日本の各都市では、路地に店があるのが常識になっていて、デパートでさえも路地に向けて店頭を開いていたりしますが、アメリカでは路地に店があるということは稀なんです。

アメリカ全ての都市でこのようなプロジェクトを行うことは無理だと思いますが、可能性を感じられる都市では、スペースをどのように使うのか、真剣に考えなければいけないと考えています。

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ダニエルさん。ちなみに彼のお気に入りの路地の一つは京都だそう。

ただ「暗い路地に街灯をつけて明るくしよう」というところで終わりではなく、本来であれば人が避けていく場所を、「人が集まる場所にしよう」というところまで発展して考えられているこのプロジェクト。

今は暗くて怖い路地も、花を植えることや、地面のブロックを変えることで開けた明るい空間に変えることができます。そうなればそこでカフェを開くことだって、コンサートをすることだってなんでもできるようになるのです。

もしかしたら、そのうち大通りよりも人がたくさんいる場所になるかもしれないですね。

みなさんだったら、いつも通る暗い路地を、ビクビクしながら通るのではなく、ワクワクするような場所にするために、どんなアイディアを考えますか?

[Via:GOOD, SDOTblog, citylab]
(Text:岩崎史香)

世界の路地をのぞいてみよう!
Daniel Toole Architecture & Urban Design Blog

writer ライターリスト

岩崎 史香

岩崎 史香

greenz ジュニアライター 1993年栃木県生まれ。 東京の西の方で三年間学生をやりつつ、商店街の片隅でイベントやさんをしていました。 ただいまシアトル留学中。移民について勉強しています。 ライターインターン時代には主にまちづくりの記事を書いていました。

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