ISSUE まちづくり

1 year ago - 2015.01.28

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コミュニティの中で生きることを、もっと広めたい! ブリストルで生まれた地域通貨「Bristol Pound」が導入した新機能とは?

Bristol Pound Launch 19.09.12

全国に大手のスーパーマーケットやコンビニエンスストアが進出し、日々の暮らしはとても便利になりました。

しかし一方で、地元に古くからある八百屋や商店だからこそ持つ魅力や価値を大切にしている方は多いのではないでしょうか?

そんななか、グリーンズでは以前に「よろづ屋」をご紹介しましたが、地域内でお金を循環させ、地元のお店がより盛り上がるように地域通貨を導入している街がふえています。

今回は、3年ほど前に日本でも注目を浴びた「Bristol Pound」の現在についてご紹介します。

Bristol Poundの舞台となるイギリス南西部の都市ブリストルは、イギリス初の自転車都市に指定されたり、フェアトレード商品を推進するフェアトレード・シティにも選ばれるなど、エコやグリーン社会に目を光らせている市民が多いことで知られています。そんなブリストルで2012年から登場した地域通貨がBristol Poundでした。
 
Bristol Pound note
紙幣のデザインには、ブリストル出身の女性詩人Hannah Moreの肖像画や毎年夏に開催されるアフリカン・カリビアンカーニバルの写真など、ブリストルゆかりのものが使われており、見るだけでも楽しいデザインとなっています。

Bristol Pound note
表面だけでなく、裏面にも遊び心のあるデザインがあしらわれています。現在新しいデザインを市民から募集中。今年3月には、紙幣の新デザインを決めるようです。

他の地域通貨と同様に、Bristol Poundも組合に加入しているローカルショップだけでしか使えません。たとえばコーヒーが飲みたいときに、この地域通貨はチェーン店では使えないので「地元のコーヒーショップに行こう」と、人々が地元の店へ出かけるきっかけをつくりだしています。

この取り組みに賛同したブリストル市長のGeorge Ferguson市長は、給料の全額をBristol Poundでもらっているのだそう。そして、事業所を対象とした地方税や市民の地方税を支払えるシステムも導入されました。
 
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一番右がファーガソン市長。2015年1月現在も現役の市長さんです。

画期的な支払方法「TXT2PAY」、スマホアプリ、さらにガイドブックまで誕生!

そんな住民や行政から高い支持を集めているBristol Poundは、この2年間でさまざまな新機能を導入してきました。そのひとつが、「TXT2PAY」というシステム。これは、スマートフォンや携帯電話で利用して支払いができてしまう仕組みです。

まずBristol Poundのホームページで自分自身のアカウントを開設します。銀行口座をひらくときと同じように、暗証番号を設定し、必要な額を入金すれば準備完了。

気になる使い方ですが、とっても簡単な3ステップだけで支払うことができます。
 
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(1)payのあとに暗証番号、口座名義、金額を入力したテキストを作成

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(2)テキストをBristol Poundの電話番号まで送信

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(3)最後に、支払い完了のテキストが送られてきます。このとき、自分の口座から自動的に引き落としされています。まさに、デビットカードのような感覚で使えますね。

イギリス人はカード決済を利用することが多く、現金をあまり持ち歩かないので、このサービスは大好評なのだとか。今では、Bristol Pound利用者の半数以上が紙幣ではなく、こちらのシステムを使って支払いしているそうです。

その他にも支払履歴を確認できるスマホアプリや、地域通貨が利用できるお店や観光名所を紹介するガイドブックも誕生。このような新機能のおかげもあって、開始されてから2年たった今では、およそ618,000ブリストル・ポンドが流通していて、加盟店はなんと650店舗まで増加したのだとか。
 
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アプリでは、Bristol Poundが使用できるお店を検索できたり、自分の支払いがどれだけ地域の経済に貢献しているかも確かめることができます。

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観光客にも広めたい!との思いから生まれた専用ガイドブック。Bristol Poundがあると会話のネタになり、地元の人ともコミュニケーションをとることができそうですね。

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ブリストル中心地でBristol Poundが使用できるお店の地図。これらのマークの数をみても、Bristol Poundがいかに広まっているかがわかります。

人々がただ買い物に行くだけでなく、買い物に行き人と会い、ふれあう。コミュニティの中で生きるということは貴重なことですし、それを広めていきたい。それこそが、わたしたちがBristol Poundを推進する一番の目的なんです。

と話すのは、Bristol Poundの生みの親であるStephen Clarkeさん。

ブリストルと同じように、地域通貨に多くの新機能を持ち込むことは簡単ではないかもしれません。

しかし、人々が求めるニーズに合わせた工夫を取り入れていくことが、さらに地域通貨の価値を高め、多くの人々のつながりを生むということをBristol Poundは教えてくれます。

[via: Bristol Post, Bristol Pound,Bristol Shop,Google Play, Natural Products]
(企画 / Text: 大石真由)

writer ライターリスト

大石 真由

大石 真由

greenz ジュニアライター 1993年北海道生まれの東京育ち。 2014年秋から1年間、イギリス・ブリストル大学に留学。 ライターインターン時代には、ブリストルで行われているソーシャルグッドな取り組みを、現地在住者ならではの目線でお届けしました。

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