テントや折りたたみテーブル、そして星空を楽しむ望遠鏡! どれもキャンプを楽しむには必要ですが、買いそろえるのってなかなか大変です。こんな「たまにしか出番はないけど、たまに絶対に使いたいもの」、みなさんの押し入れの中にもたくさん眠っていませんか?
今回ご紹介する「PumpiPumpe」は、そんな押し入れの中身を活用しつつ、お隣さんと仲良しになれちゃうアイデアです!
青い正方形が特徴。今のところは、47種類。
使い方はシンプルで、PumpiPumpeがデザインした「貸してもOK」シールを自宅の郵便受けに貼り、借りたくなったら、ご近所さんの郵便受けを見て会いに行く、というもの。
シールの種類は、レジャー用品やミシンやアイロンといった日用品から、ゲームボーイやチェス、こどものおもちゃ、パーティー用のコスプレ衣装、さらにはWi-fiまで!
多くの人が参加することで、郵便受けは何がどこにあるのかを示す「地図」のようになっていきます。
PumpiPumpeを始めた、チューリッヒを中心に活動するプロダクトデザイナーのLisa Maria Ochsenbein(以下、リサさん)は、このように話します。
ご近所さんで貸し借りができたら、と自分自身が思っていたのですが、写真を撮って、アカウントをつくって、アップロードして…というのが、わずらわしかったんです。
でも「シールを郵便受けに貼る」くらいなら簡単にできる。そして簡単だけど、これが地域の基本をつくっていけるのではと思っています。
Pumpipumpeには、大切なルールがあります。それは、「借りたら、かならず返す」こと。すべての人がこのルールを守り、おたがいを信頼できるからこそ、押し入れの中身を貸すことができます。
これまでに、送られたシールセットは6000人以上。シールセットはスイスとドイツでは無料、それ以外の場所でも送料の4ユーロだけで運営されています。
すでに、海外のさまざまなメディアでも注目を受け、注文が殺到しているというこのプロジェクト。活動の資金は、寄付でまかなわれているため、リサさんは対応しきれるかが、少し心配とのこと。
いま、ご近所さんとの交流は、本当に少なくなってしまいました。Facebookで世界中の人はつながっているけれど、現実の関係では、そんなふうにはつながっていないんです。PumpiPumpeは、そんな現実のネットワークの可能性を、もっと引き出していけるといいですね。
近年、インターネットをつかって、場所やモノをシェアすることがトレンドになりました。しかし、PumpiPumpeが注目されるのは、ただ便利なだけではなく、多くの人が「おとなりさんとの関係が足りない」と感じていたからかもしれません。
ぜひみなさんも押し入れの中身と一緒に、ご近所さんとの関係を見直してみませんか?
[via psfk,Co.EXIST,springwise.com,www.lisaochsenbein.ch]
(Text:きとうかよ)