ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

3 years ago - 2013.10.23

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1分わずか38円!世界中で3秒に1人が乗車している、オンデマンド型カーシェアリング「car2go」

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米国コロラド州デンバー市街に停車されている車両。コンパクトなので駐車もラクラクです。

1台の車が、一日で使われていない時間はどれくらいだと思いますか?もちろん個人差はありますが、約22時間にも及ぶと言われています。

乗車時間はわずかにもかかわらず、ガソリンや駐車代など、月々の維持費は結構なものになりますよね。もし、すぐに乗れて好きなだけ使える、良心的な料金の車があったら…。都市部に住む人たちのそんな願いを実現したのが、「car2go」です。

丸みを帯びたユニークな二人乗りの車両は、後部に十分な荷物スペースも。機動性に優れ運転しやすく、町乗りにピッタリのコンパクトサイズです。世界中で8,500台が利用され、400,000人以上の会員数を誇るという「car2go」。どんなカーシェアリングなのでしょうか?


“車と可能性をシェアする”がコンセプトの動画。 ©2013 car2go N.A., LLC. All rights reserved.

革新的な3つの理由

ドイツの自動車メーカー、Daimler(ダイムラー)の子会社である「car2go」。2008年にドイツのウルム市でカーシェアリングを開始すると、今までになかった方法が瞬く間に注目を集めました。現在ではドイツ、イタリア、イングランド、オーストリア、オランダ、アメリカ、カナダの23都市で展開されています。

car2go北米LLC Communications AdministratorのTabitha Storkさんが、特徴について教えてくれました。

「car2go」がカーシェアリングの中でも画期的なのには、3つの理由があります。一つは、使用料金が分単位の支払いであることです。最低利用時間はありません。

次に、オンデマンドであること。予約不要で、要望に合わせて無制限で使用できます。三点目は、有効エリア内であれば、乗り捨てができることです。指定場所に返却する必要がないので、移動時間も大幅に節約できます。

平均利用時間は30分で、主に市街地で1台の車両が1日に何回も使用されることが多く、渋滞や駐車場混雑の減少に一役買っています。車両は低燃費、低排出なので、空気品質の向上にも貢献。こうした業績が評価され、米国環境保護庁(EPA)を初め、カナダ、ドイツなど世界各国で数々の受賞も果たしました。

2011年11月からは、世界最大規模の電気自動車カーシェアリングにも着手。全車両の12.9%を占める1,100台の電気自動車が利用され、更なる環境への好影響が期待されています。

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車両は燃費が良く、CO2排出量も削減。電気自動車もスタートし、ますます環境に優しい車に。 ©2013 car2go N.A., LLC. All rights reserved.

カードがあれば、いつでも乗れる

では、どうすれば「car2go」を使えるのでしょうか?

まず、ホームページから会員登録すると、数日後に自宅に会員カードが届きます。車両が必要な時は、パソコンやスマートフォンなどで最寄りの車を検索します。道路上で見つけた車両にそのまま乗り込んでも構いません。30分前からの事前予約も可能です。

車両を見つけたら、車外からフロントガラス内側に設置されているカード読取機に会員カードを近づけると、ドアが開きます。車内のタッチスクリーンで会員申込時に設定したPINコードを入力します。車内に設置されている鍵を使用して、運転開始です。

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会員カードがあれば、ドアを開けてすぐに運転開始できます。 ©2013 car2go N.A., LLC. All rights reserved.

目的地に到達したら、有効エリア内に駐車します。アメリカでは、道路の両脇に駐車スペースがあることが多いのが一般的。違法駐車にならない場所でさえあれば、どこにでも駐車できます。車外に出て、カード読取機に会員カードをかざすとドアがロックされ、乗車終了です。

使用料金は、1分毎に38セント(約38円)。1時間毎に13.99ドル(約1385円)、一日で72.99ドル(約7226円)に割引され、登録したクレジットカードで支払います。乗車前に予定利用時間を設定する必要はありません。会費は初回のみ35ドル(約3465円)で、年会費、保険代も無し。車内に設置されているカードで給油できるので、ガソリン代も不要です。満タンにすると、次回分が20分間無料になるサービスもあります。


車両の見つけ方から乗車終了までが、わかりやすく説明されています。(英語) ©2013 car2go N.A., LLC. All rights reserved.

“所有”ではなく、“活用”する車

「車は持つのではなく、賢く使おう」という提案が共感を呼び、幅広い層に受け入れられている「car2go」。週末のショッピングに、子どもの送り迎えに、仕事で急な移動が必要な時や、出張で早朝や深夜に駅までのアクセスがほしい時に…。既存の交通機関と組み合わせながら、生活スタイルにあわせて世界中で駆使されています。今後も有効エリアの拡大に伴い、都市部の暮らしをより快適で豊かなものにしていくに違いありません。

日本でも、カーシェアリングは広がりを見せています。あなたの地域でも行われているサービスを探してみませんか?

(Text: デラベキア牧枝)

writer ライターリスト

デラベキア 牧枝

デラベキア 牧枝

greenz ライター Makie DellaVecchia 宮城県仙台市の国際交流協会、中間支援NPOなどで勤務後、2012年に米国に移住。オレゴン州ポートランド、コロラド州デンバーと引越し、現在はミシガン州アナーバーで夫と猫と暮らす。 動物保護、環境、貧困、食(ベジタリアン、ヴィーガン)にまつわるソーシャルビジネスに関心があります。

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