ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

3 years ago - 2013.09.18

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アートをもっとみんなのものに!ビルの隙間にオープンした”世界最小級”の美術館「Mµseum」

Mµseum

みなさんはどれくらいの頻度で美術館に足を運びますか?

パリのルーブル美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館などは世界最大級として有名ですが、今回ご紹介するのはアメリカ・マサチューセッツにある、芸術の街サマービルにオープンした”世界最小級”の美術館「Mµseum」です。実はこのミニミニ美術館、アートシーンに一石を投じる可能性を秘めています。

Mµseum between a subway and The Independent
「Mµseum」の「µ」(発音はmew、ミュー)はギリシャ文字でmicroの意味を持っており、小さな美術館にはぴったりのしゃれが効いています。

場所は街のビルの隙間、幅40cm×高さ25cmという郵便ポストサイズ!初回のエキシビションでは地元サマービルの若手アーティストの作品が展示されてました。そのオープニングセレモニーも最小規模。赤ちゃんの爪切りくらいの小さなはさみで市長がテープカットし、スピーチも「Hello」で始まり、直後に「Thank you」で終わるといった徹底ぶりです。

何より資金面もとってもスモールサイズ。屋根に取り付けたソーラー発電により電気代もかからず、壊されないように強化ガラスを使っているため警備員や掃除員などの人件費がかかりません。そしてお客さん側も、入場料を払う必要がないのです。(入場するには小さすぎますよね?)

Mµseum opening exhibition 1

この美術館をつくったのは、地元のアーティストでもあるJudith Klausner(ジュディス・クラウスナー、以下クラウスナーさん)。彼は、サマービルのギャラリーがあまり地元のアーティストの作品を発表していない現状に疑問を感じていました。日の目をみない若手アーティストが地元にたくさんいることについて様々な場で議論をかわし、その結果ギャラリーに頼らず自分たちの手で作品の発表の場をつくりだす必要があるという結論に至ったようです。

問題は、街には場所もないし彼らはお金もないということ。そこでクラウスラーさんは最も人通りの多い街中で、最も手軽に作品を展示する方法として、ビルの隙間のミニ美術館という解決策を見つけたのでした。

Emily_Garfield_MM_photo-221x300
展示作品のひとつ

さらにこの美術館、今までの「人々とアートの関わり方」を覆す“小さな抵抗”としても期待されています。

これまでアートは敷居が高い、気難しいという印象を払拭できずにいました。でも街中のビルの隙間の美術館なら、わざわざ美術館へ足を運ばないような人でもちょっと覗くだけで作品が楽しめる。そんな気軽さもアートには必要だと思うのです。

とクラウスラーさん。普段は見向きもされないような「隙間」をうまく使い、逆に強いメッセージ性を持たせることができたインスタレーションですね。

街の隙間に潜む可能性、みなさんの街でも活用してみませんか?

(Text: 恩田ひとみ)

[via: fastcodesign]

writer ライターリスト

恩田 ひとみ

恩田 ひとみ

greenz ジュニアライター 1988年群馬生まれ、東京育ち。イギリスでPublic Relationsを勉強中の大学院生。イングランド、Leeds在住。 greenz.jpライターインターン時、全4回「Over 60's change the world」シリーズにてイギリスの「高齢者 x Social Good」な取り組みを紹介。 現在はgreenz.jpジュニアライターとして、ワクワクするGood Ideaをお届け中。

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