従来のメーカーの常識を覆す!? 工場まるごとオープンソース化プロジェクト「Open Tech Forever」

Photo by Yukiko Matsuoka

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一般に、プロダクトの中身のほとんどは“ブラックボックス”になっているのが現状。その技術や仕組みは企業秘密や知的財産権として企業に専有され、第三者が自由にこれを解析したり、利用したり、改変することは認められていません。このような従来のメーカーの“常識”を覆し、「工場を丸ごとオープンソースしよう」という大胆な試みが米国でスタートしました。

「Open Tech Forever」は、労働者自身が所有・管理する、オープンソースハードウェアのための組合です。研究開発や技術教育を通じて最先端技術のオープンソース化を推進することにより、知識・スキル・技術・リソースを社会全体で共有する“オープンソース経済”への一翼を担うことを目指しています。

このプロジェクトは、直近の取り組みとして、米コロラド州デンバーのダウンタウンから15分の郊外にある40エーカー(約16.2ヘクタール)のパーマカルチャーエリアに、「Open Source Factory(オープンソース工場)」を建設する予定。この工場では、世界中の技術者のコラボレーションによってオープンソース技術の設計・プロトタイピングを行うほか、技術者に向けた教育マテリアルを作成したり、新しいコミュニティやビジネスの創出に役立つ公開ワークショップを開催する方針です。

また、「Open Tech Forever」がオープンソース化するものは、技術のみにとどまりません。パーマカルチャーエリアという地の利を活かし、農業のオープンソース化にも取り組む一方、ビジネスモデルや市場調査など、従来の企業であれば“門外不出”の秘密情報をもオープンソースとすることで、起業家たちをサポートしようと考えています。

個人や集団によって差別せず、誰でも自由に再頒布したり、目的を問わずに利用できる「オープンソース」のコンセプトは、1990年代に普及したウェブブラウザ「ネットスケープ(Netscape Navigator)」やMozillaプロジェクトなど、ソフトウェアの分野で徐々に発展し、近年では、名刺サイズのLinuxコンピュータ「Raspberry Pi」のように、ハードウェアにもこの動きが派生してきました。「Open Tech Forever」は、このようなオープンソース化の流れをさらに一歩前進させる取り組みとして、注目すべきプロジェクトのひとつといえるでしょう。