みなさんの暮らしの中で「もっとこうなったらいいのに!」と思うことはありませんか?でも、結局何もせずそのままになっているなということもあるのでは…アイデアが浮かんでもはあっても、実際に行動するのはなかなか難しいものですよね。
そんな中、1日1個以上の「こうなったらいいのに!」という課題を毎日発見し、デザインの力で解決していこう!と旅に出たデザイナーがいました。今回ご紹介するのは、たった50日間で50個以上のユニークなアイディアを生んだ驚きのプロジェクト「50 problems in 50 days」です!
デザインはシンプルだから直感的に理解してもらうには最適なんだ。ごちゃごちゃした説明なく伝えられるし、人の心に届ける特別な力があるんだよ。
と語るのは、イギリス在住のデザイナーPeter Smartさん。世界の様々な企業との仕事をしているうちに「デザインの力で社会問題を解決する限界に挑戦したい!」という思いが湧き上がり、このプロジェクトを始めました。
イギリスを出発し、イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スイス、ドイツ、イタリアとヨーロッパの7カ国10都市を巡りました。総移動距離はなんと約4,050km!(ちなみに日本列島は約3,300km)
そんな彼の長旅を記録したウェブサイトは、見ているだけでワクワクしてしまうようなオシャレなデザイン。このプロジェクトは数々のデザイン賞を受賞し、その斬新な取り組みに注目が集まっています。一口に社会問題と言っても環境、経済、文化やテクノロジーなど、カテゴリーは多岐にわたります。そこにデザインを掛け合わせることで生まれたアイディアは、どれもユニークなものばかり。いくつかご紹介しましょう。
Day23 迷子という旅行ならではの問題に「スーツケースに装着できる道案内専用 小型レーザーポインター」
Day42 地下鉄に住むホームレスへの「シェルターケア募金付き乗車券」
Day6 環境に配慮した節電のために「歩く人に反応して点灯するショーケース」
また、大きな社会問題だけでなく、日常の中にある「ささいな問題」にも取り組んでいます。普段はちょっと不便だなあと思っても、まあ仕方ないと受け流してしまっているようなことにも、デザインを武器に果敢に立ち向かっているのです。
例えば、47日目に彼はある図書館に立ち寄りました。そこで司書の方々が「学生が本を落書きして困る」と言っているのを耳にします。じゃあ、<落書き禁止>というオシャレなデザインの張り紙を作ろう!となってしまいそうですが、彼は違います。
まず、彼はなんで落書きしてしまうんだろう?という根っこから考えました。内容をよーく見てみるとその多くが重要な部分へのラインマーカーやメモ!「どうやら落書きの原因は、学生が使っているノートが使いにくいからでは?」と気付き、「もっと楽しく便利に使えるノートを作ろう!」と決めました。
こうして生まれたのがオンライン本情報共有ノート「Co-Note」
メモしたい本のページを写真に撮り、そこにウェブ上で参考文献のリンクや関連ウェブサイトのURL、ボイスメモを保存できます。「どこに興味を持ったか」「何を考えたか」という情報が共有されることにより、その本に対して新たなコミュニケーションが生まれてきそうなアイデアですね。
「○○禁止」ではなく「こうやったらもっと楽しくて便利!」と、常にポジティブに変えようする彼のアイデア。もちろんその問題を瞬時に解決できるようなものでもありませんし、その多くはまだ実現されていません。しかし、そのアイデアに辿り着くまでのプロセスまで共有することで、読者自身も「そういえば、私も昔から困ってたな」「もし私だったら」と”自分視点”で考えるきっかけになります。
イシューに気付いたら、まずは共有!自分一人で全部実行はできなくとも、そこで連鎖反応が起こり、ちょっとずつ変化が広がって、アイデアが実現されていくはず。実際「使いたい!」「googleで実用化されそうなくらい素敵!」「やってみたい」という様々な反応もありました。
大きな問題でも、ささいな問題でも「どうしたらもっと楽しくなる?もっと素敵な社会になる?」と”自分視点”で周りを見てみることで、社会をちょっと良くするソーシャルデザインが生まれるかもしれませんね!
あなたは今日、どんな課題を見つけましたか?ぜひ教えて下さい!
(Text:鳥居真樹)
[via 50 problems in 50 days]
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