2010年4月、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山(Eyjafjallajökulll)で発生した噴火から、1年あまりが経過。氷河や温泉など、豊かな自然が楽しめるとして人気の観光地だったアイスランドは、この自然災害が原因で、観光客が激減し、経済にも悪影響を及ぼしています。そこで、政府と国民との協力のもと、アイスランドの魅力を世界へ発信し、観光客を呼び戻そうというキャンペーンが行われています。
「Inspired by Iceland」は、アイスランド政府が31.8万人の国民と共同で取り組む、観光復興キャンペーンです。長期的な視点から持続可能な効果をあげられるよう、観光コミュニケーションの新しいモデルの構築に取り組んでいるのが特徴。公式ウェブサイトや、ツイッター(@icelandinspired)、フェイスブックなどのソーシャルネットワーク、ライブカメラなど、様々な技術やツールを有効に活用し、アイスランドの魅力を、余すところなく伝えています。
また、このキャンペーンのもうひとつの特徴は、国民が積極的に参加していること。ウェブサイトでは、動画や画像を交え、個人の視点から、アイスランドの魅力を表現したり、とっておきの逸話を披露することができ、すでに、200万もの作品が投稿されているとか。「Inspired by Iceland」によって、観光客が約8万人増加し、1億3,870万ポンド(約18.2億円)の経済効果が認められたそうです。
Reykjavík tourists are inspired by Iceland from Inspired By Iceland on Vimeo.
日本政府観光局(JNTO)によると、東日本大震災の影響で、2011年4月、日本を訪れた外国人旅行者数(推計値)は前年同月比62.5%減。下落率は、過去50年で最大を記録しました。被災地はもとより、遠く離れた観光地でも、風評被害が出ているといわれています。
美しい自然と文化を持つ日本に、再び、多くの外国人観光客の方々を呼び戻すためのひとつのアイデアとして、「Inspired by Iceland」の取り組みから学ぶべきことがありそうですね。
[via PSFK]