水を電気分解した水素によって走る燃料電池車の普及に向けた研究が本格的に進んでいるのは周知の事実だ。しかし、この燃料電池車の普及には水素スタンドのインフラ整備という大きな問題が横たわる。「もし水素ではなく水で走る車が開発されれば」という夢のような話がもしかしたら実現するかもしれない。
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その夢の第一歩となるのが、米Ronn Motor社が開発した「Scorpion」である。この「Scorpion」は450馬力のロードスターであるにもかかわらず、リッター17kmという燃費を実現した。この450馬力は日本車でいえばスポーツカーの代名詞である日産GT-Rにほぼ匹敵する。そして、そのGT-Rの燃費がリッター約8.2kmだということを考えれば、この「Scorpion」の燃費がいかに驚異的なものかがわかるというものだ。
その秘密は、「H2GO」という水素供給システムにある。このシステムは水素をガソリンと混燃させることで燃費を向上させるのだが、従来の同様のシステムが液体水素を必要としていたのに対し、この「H2GO」は車に搭載されたシステム内部で水を電気分解して水素を取り出す。つまり、水素スタンドも必要なく、液体水素を貯蔵するタンクも要らないのだ。
このシステムから実際に水だけで走る車を実現するには、電気分解のためのエネルギーをどうするかなど解決すべき問題は多い。でも、水道水をタンクに入れて「さあ出発!」という時代もそう遠い未来の話ではないかもしれない。