純米酒ファンドとは、全量純米蔵を目指す会とミュージックセキュリティーズ社が提携して募集している個人融資のファンドだ。つまり、手間と時間と資金のかかる昔ながらの純米酒作りを、個人から集めたお金で生産する仕組みのこと。
戦後いち早くアルコールを添加をせず、水と米だけでつくる純米酒のみを造りはじめた酒蔵として知られている「神亀酒造」の小川原専務によると、純米酒の本当の旨さを引き出すには、良い原材料だけではなく、2年から3年の熟成期間が必要だという。つまり、酒造側にとっては時間もコストもかかるのでリスクが大きくなる。そのため、通常の金融システムではなかなか資金を集めにくい状況があったそうだ。
ならば、純米酒の味にも事情にも精通している日本酒ファンに出資してもらおう、というのがこの純米酒ファンド。一口5万円からという金額であれば、ワンランク上の楽しみのひとつとしても投資できそうだ。なぜなら、自分の好きなお酒に投資し、毎年6本(300ml/本)のさまざまな純米酒を楽しむことができ、かつ一定以上の売上げがあがれば、元金や分配金が懐に戻ってくるのだ。
実際、これまでミュージックセキュリティーズが扱ってきた純米酒ファンドの出資者のほとんどが「日本酒が好きで応援したいから」「全量純米蔵を目指す会の趣旨に共感したから」「純米酒づくりのこだわりに共感したから」などの理由で出資を決めたそうだ。共感をベースにした良いお金の循環が成立している。
ミュージックセキュリティーズ社は、純米酒ファンド以外にも農業や地場産業へのファンド事業を行っている。
ファンドの対象は、岡山県西粟倉の林業、倉敷市の国産桃太郎ジーンズ、新潟の特別栽培米、はたまたミュージシャンやJ2サッカーチームの東京ヴェルディ、カンボジアの貧困支援などにも広がる。
音楽のファンド事業からはじまったミュージックセキュリティーズ社のミッションは「一人ひとりが大切と思うことを実現できる社会のための新しい資本市場を構築すること」。お酒でも農業でも音楽でも、ものづくりに賭ける人たちがいて、そのサポートをする仕組みがある。まさに、新しい資本市場が広がっている。
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