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“20年後の天神“を一緒にソーシャルデザインしませんか?西鉄×グリーンズの新企画「マイプロSHOWCASE福岡編」キックオフ!座談会

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左から山口宰さん、YOSH(greenz.jp編集長)、松尾伸也さん

福岡、そして九州のみなさん、こんにちは。

2014年夏から、いよいよ九州を舞台に新企画「マイプロSHOWCASE福岡編」がスタートします!こちらは「西日本鉄道(以下、西鉄)」とのコラボレーション企画で、「マイプロSHOWCASE関西編」に続く全国展開第2弾です。

街になくてはならない公共交通機関として、九州に住む人なら知らない人はいない西鉄。同時に天神エリアのまちづくりの担い手として、公共空間をテーマパークや音楽ライブの会場に変身させるなど、「街に集う人々が笑顔になる楽しい仕掛け」を行っています。

今回ご一緒する「西鉄天神委員会」は、数十年先を見越して、天神をさらに魅力的な街に再開発していくための全社横断チームです。西鉄とグリーンズがタッグを組んで、”ソーシャルデザイン”をキーワードにどんな取り組みができるのか?

プロジェクトを始動するにあたって、天神委員会の事務局として奔走する山口宰(つかさ)さん、西鉄グループの社員であり、天神を利用するひとなら、もはや知らないひとはいない音楽イベント「Music City Tenjin」の仕掛け人でもある松尾伸也さんと一緒に、「マイプロSHOWCASE福岡編」について語り合いました。

いつ来ても楽しい天神づくり

YOSH 今日はお忙しいところ、ありがとうございます!去年、僕も同じく九州の鹿児島に移住しましたが、今回このような形で福岡でのプロジェクトが始まり、とても嬉しく思っています。

まずは自己紹介を兼ねて、おふたりの近況から教えていただけますか?

松尾さん 私は9月末に開催される「MUSIC CITY TENJIN」という音楽イベントの準備をいろいろ進めています。今年で13回目を迎えるんですが、これも天神委員会がきっかけで生まれたんですよね。
 
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Music City Tenjin の様子 (c)ミュージックシティ天神運営委員会

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街に音楽があふれます (c)ミュージックシティ天神運営委員会

ちょうど昨日、福岡市長との記者会見があったんですが、今年から「Fukuoka Music Month」という新しい取り組みを始めることになったんですよ。

YOSH おお。

松尾さん 福岡はミュージシャンを輩出する街として知られていて、秋には糸島の「SUNSET LIVE」や「中洲ジャズ」など、毎週のように音楽フェスが開催されるんですね。

でも意外と知られていなかったりするので、「9月の福岡は、毎週が”音楽の祭典”だ」というメッセージで、連携してPRすることにしたんです。「音楽をテーマに、福岡で何か楽しいことをやってるな」ということが伝われば、街の活性化につながりますから。
 
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Fukuoka Music Month のポスター

YOSH 既に集客力もあり、個性も豊かな面々と連携して進めていくのは、すごいことですよね。

松尾さん 音楽フェスの連携は、初めてのことなので難しいこともあるのですが、それぞれの主催者の方には、意外にも二つ返事でOKをいただけたのは嬉しかったですね。

今まで福岡ではよくも悪くも、バラバラにやっていた感じがありましたが、ちょっとずつ、つながりはじめているようにも感じています。それぞれがユニークな色を出しながら連携していった先に、何か面白いことが起こるのではないかなと思っています。

YOSH なるほど、そういう福岡の状況は、今回の企画にも追い風になりそうですね。山口さんの近況はいかがですか?

山口さん 夏休み中は、まちをまるごとテーマパークにする「こどもまるごとワンダーランドin 天神」にかかりきりでした。市役所のとなりにウォータースライダーやボートに乗って楽しめるプールを設置するなど、親子でも楽しめるイベントを開催したんです。

YOSH それは楽しそうですね!
 
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「こどもまるごとワンダーランドin 天神」の様子

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冬はイルミネーションで、彩られました。

山口さん 夏だけでなく、冬はイルミネーションやスケートリンクを設置したり、「いつ来ても天神って何か楽しいことをやっているから、遊びに行きたい!」と思ってもらえるようにできるといいですね。

一方で、自転車のマナー向上や子育て中のお父さん・お母さんのサポートなど、行政や地域と連携しながら、まちの課題解決も行ってます。

YOSH 同時進行しているプロジェクトも多くて、かなりお忙しそうですよね。

山口さん やりとりをする人の数が多いですからね。この仕事に携わって3年目になりますが、「生真面目すぎるから、もっと力を抜いてもいいのでは?」とよく言われます(笑)

いまの福岡はどんな感じ?

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市民の憩いの場・大濠公園 Some rights reserved by Tzuhsun Hsu

YOSH 僕たちはそこまで福岡のことに詳しくないのですが、おふたりは今の福岡をどう眺めていますか?

松尾さん そうですね。最近は若い世代が、敢えて大きな企業に属さずに、面白いことをどんどん仕掛けている人が増えているように感じています。

例えば、仲間同士でものづくりの見本市を開くと、いきなり海外から仕事のオファーがきたりとか。以前は東京を経由していたものが、今では直接ローカルとローカルで強く結びついているような感じがします。
 
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松尾伸也さん

YOSH 震災後、福岡にかなりの数のクリエイターが移住したそうですね。

松尾さん 確かにその影響もあるでしょうね。「外から見える福岡のよさ」を教えてくれる人たちが集まってきているので、今までになかった化学反応が起きているのかもしれません。

YOSH そういう新しいうねりに適応していくことは、いうほど簡単ではないと思いますが、福岡ではどうだったんでしょう。

松尾さん 福岡は歴史的に大陸文化の入口だったという背景がありますから、知らない人をあまり拒否しない質といいますか、あたらしもの好きなんですよね。そのかわりすぐ飽きたりもしますが(笑)

屋台で全然知らない人とコの字型に座って至近距離で飲んで、意気投合するような街ですから、そういう土壌はもともとあるのかなと。

山口さん さっきの松尾さんの話じゃないですが、「みんなで一緒に街を良くしていこう」という機運が高まっているのは感じますね。
 
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山口宰さん

松尾さん おそらく、自分たちが住んでいる街のことについて、改めて考えるようになった人が増えてきているんだと思います。「福岡らしさって何なのかな」って、普通に会話に出たりするようになってきたような気がしますね。

YOSH 福岡が他の地域とちょっと違うのは、「このままではマズイ」みたいな危機感があまりないのかなということなんです。僕が今住んでいる鹿児島もそうですが、既に十分豊かであることを自分たちでもしっかり感じているというか。

山口さん どうでしょう。かつては自分たちしか知らないからこそ、それで満足していた部分もありましたが、今は世界が比較対象になる時代ですよね。

そういうなかで、単独でやっていても厳しいという限界を感じている人もいると思いますし、だからこそ新しい試みが増えているのではないでしょうか。

YOSH なるほど。既に天神委員会としてもいい形でコラボレーションを進めているような印象がありますが、逆に今はどんな課題を感じていますか?
  
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YOSHさん

山口さん 私たちは街のにぎわいやイノベーションを生み出すために、多様な人材が集まるような天神にしていきたいという思いを持っています。

そのためにさまざまなコラボレーションを仕掛けていますが、それがキャンペーンやイベントの枠を超えて、コミュニティとしてつながっていくにはどうしたらよいのか、その辺りが課題かなと思っています。

YOSH 単発のイベントから継続的なコミュニティへ、ということですね。

山口さん はい。「こんな人が集まればいいよね」とキーワードを絞っていって、「カワイイ」「イケてる」「本物志向」「起業志向」という4チームで、それぞれプランを考えているのですが、「人」に注目するミッションは初めてで、手探りで進めているところです。

YOSH 回りにいる人たちをステークホルダー(利害関係者)としてみるか、友だちや仲間としてみるか、それによって組み方も変わってきますよね。グリーンズの役割は、そのあたりの距離を縮めていくことなのかもしれません。

松尾さん そうですね。西鉄はどちらかと言うと堅いイメージですし、天神は資産価値がある街なだけに、敷居が高い部分もあったと思います。でも、グリーンズの周りでまさに起こっているように、志やアイデアがある人は増えている。そこをつなげたいと思っています。

虎ノ門で森ビルさんと組んでいるグリーンズの「リトルトーキョー」なんかは、本当によい例ですよね。

単純に家賃の問題で街の真ん中で面白いことができないのであれば、それは街の未来にとってはもったいない。一方で、企業の方も実は関心を持ち始めているし、一緒にプロジェクトを始める方法はいろいろあるはずです。
 
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虎ノ門のリトルトーキョー

「マイプロSHOWCASE福岡編」に期待することは?

YOSH 今回は連載とワークショップを通じて、志とアイデアにあふれた素敵な人たちが、いい温度感でつなげてゆけたらと思っていますが、その先に、福岡のさまざまな課題を解決していく拠点として、天神がシフトしていけると面白そうですね。

山口さん 西鉄にとって天神はコアの部分ですし、天神が盛り上がること、天神を好きになってもらう人が増えることは、企業価値向上にもつながります。

天神エリアではビルの再開発や大名小学校跡地の活用など、街全体の機能を見直すくらいの大きな変化が待ち受けています。そのときにただハードをつくっても仕方がないので、本当に必要とされるものを対話をしながらつくっていくことが大切。

今回のグリーンズとの取り組みが、そういう役目を果たしてくれるのではないかと期待しています。

松尾さん これまでもさまざまな変化があったように、時代にあわせて柔軟に変わっていくことが大切ですよね。

特にソーシャルデザインへの関心は会社としては薄かったと思うので、これに関わる社員にとってもいい刺激になるのではないかと思います。“未知との遭遇”こそ、楽しみにしています。

YOSH 西鉄は暮らしに根付いたインフラ企業ですし、みんなが頼りにしている会社ですから、地域のソーシャルデザインを支える担い手としてピッタリだと思います。

既に福岡ではさまざまなコミュニティができ上がっていますが、敢えて僕たちが外側から入り込むことで、今までになかった方向に向かう一助になれると嬉しいです。今日はありがとうございました! 
 
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天神の定番待ち合わせのスポット、ライオン広場で

(座談会終わり)

「マイプロSHOWCASE福岡編」キックオフ対談、いかがでしたか?

まちづくりの視点から、街に集う人たちのための利便性やにぎわい、思いやりの心を軸に、さまざまな取り組みを行っている西鉄。「街の顔」としての信頼と実績を守りながら、同時にポジティブに新しいことをやってのける遊び心を持ち合わせる頼もしさも魅力であり、そこにグリーンズとの共通点を感じます。

これからどんな化学反応が起き、どんな楽しく画期的な価値感の共有をあなたの元に届けられるでしょう。福岡発の多彩なプロジェクトを紹介していきます。どうぞお楽しみに!

(Text: 前田亜礼)

[sponsored by 西鉄グループ]