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先住民にいざなわれる”リアル”な先住民の世界。関わり会い学び合うスタディツアー「Go Native America」 [先住民のチカラ。]

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先住民は、遠い国の遠い昔の話じゃない。たくましく誇り高く今を生きる先住民にスポットライトを当て、ステレオタイプな先住民像を見直すシリーズ「先住民のチカラ」。昨日よりもちょっとだけ現代の先住民を身近に感じるためのインターン北條によるマイ企画です。今回は第3弾!

ちょっと遠いところのように感じる先住民の世界。現在のリアルな姿をもっと知るには、やはり実際に訪ねるのがいちばんです。そんなときにオススメしたいのが、先住民自らがガイドを努める、先住民文化を紹介するツアー「Go Native America」(以下、GNA)です。

GNAは参加する人にありのままの先住民の文化・生活を体験してもらうことを目的としたツアーを企画・運営しています。

先住民の伝統や生活の奥深くまではいりこむ内容となっているため、参加者には「観光客」ではなく、「訪問者・ゲスト」として先住民と非先住民の関係をよりよいものにしていく姿勢が求められます。

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ラコタ族のお祭り「パウワウ」で着飾る先住民 All rights reserved by amilczar

例えば、「Lakota Storyteller」という8泊9日のツアーではネイティブアメリカンのラコタ族の文化を様々な角度から体験できる内容となっています。

このツアーの魅力は、なんといっても先住民達の輪に加わり、ネイティブ・アメリカンの英雄達にまつわる伝説や、ラコタ族に代々伝わる民話、星々の知恵などが聞けること。

ラコタ族にまつわる聖地もめぐり、先住民のスピリットに想いを馳せたり、ラコタ族の保留地に訪れ、様々な問題を抱えて現代を生きる先住民の生活について考えたりする機会もあります。

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ラコタ族の聖地 「Badlands」

現在、先住民が抱える大きな問題のひとつに失業率の高さがありますが、先住民のガイドによって全てのツアーが運営されるGNAはその問題の解決の糸口のひとつとなっています。先住民自らがガイドをすることは、先住民が自分達の文化やアイデンティティの再定義をするよい機会にもなっているそうです。

また、先住民が抱えるその他の問題に、まがいものの伝統工芸品の流出があげられます。そこで、GNAはツアー参加者がネイティブアメリカンの伝統工芸品を、第三者を介せず直接ネイティブアメリカンから直接購入する機会を設けました。

このことによって、生産者と参加者のフェアなトレードが行われただけでなく、参加者が生産者である先住民のことをよく知るきっかけも生まれたのです。

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先住民とツアー参加者による伝統工芸品のフェアトレード

これまで旅行というのは、現地の人から与えられる「楽しみ」を旅行者が受け取る一方的なものが主流でした。その過程で、ステレオタイプ化されたネイティブアメリカン像のように、歪められてしまった文化は少なくなかったように思います。

GNAのツアーのように旅行者も現地の人も主体的に関わりあい学び合うこと、それ自体が「楽しい」と思えるような旅行がこれから増えていったらとても素敵ですね。

(Text: 北條みくる)
[via Go Native America