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環境問題、動物の絶滅を根本から解決するために、人間の考え方を変えるための方法を見つけたい。#そうだソーヤー海に聞いてみよう!

ハロー、ソーヤー海だよ! 前回に引き続き、この連載『共生革命家日記』宛に届いた、読者のみんなからの質問やメッセージに返事をしていくね。まずは一通目。

初めまして。私は、野生動物が残せる未来を作りたいと思っています。きっかけは、小学生の頃に人間によって窮地に追いつめられているシロクマの写真を見て、怒りが湧いたことです。だけど高校生になって、環境問題や動物を絶滅に追い込んでしまう人間の考え方を変える必要があると気づきました。

大学ではその一番早い方法を見つけたいと思っています。それを見つけた頃にはティッピングポイントを過ぎているのではないかと不安になることがありますが、ポジティブなソーヤー海さんの記事を読んで、「頑張ろう」と元気付けられました。これからも頑張ってください。(H.N.)

どうもありがとう! 僕よりも若い世代からメッセージをもらえて、とてもうれしい。すごく希望を感じる。

僕も大学のときに人類に失望したんだけど、地球や自然を愛している人にとっては、だんだん人間が憎い存在に思えてくることがあるよね。

「こんなことが起きているのに、なんで止められないの?」「大人たちがやったことなのに、なんで自分がそんな世界を受け継がないといけないの?」「なんでこんなに無関心なの?」みたいな純粋な問いとか、ものすごい痛みや残念さ、それから「こんなことも知らなかったのか」という自分へのショック……。だから人間に対して怒りや残念さを感じるのは、すごく自然な反応だと思う。

同時に、僕はこれまで活動してきて、多くの素敵な人たちと出会ってきた。本当に地球や自然を愛し、命がけで活動していて、その人たちのおかげで僕たちはこうして生きてこれたんだと気づけた。

それから確かに、ずっと昔から人間を苦しめ、環境を破壊することに加担してきた人たちはいる。だけど僕はNVCやマインドフルネスを実践してきて、そういう彼らの行動の背後には、「自分がやっていることがそんな結果を生んでいることを知らない」という無知があったり、「幼少期に過酷な家庭環境で育った」という怒りやトラウマがあったり、その人たち自身がものすごく苦しみを抱えていることに気が付いた。

そうやって彼らに共感すると、「みんな自分なりに頑張って生きているんだ」って、人間に対する愛おしさが生まれたんだ。時には悲劇的な状況を引き起こしてしまうことがあるとしても、みんな結局、そうやって自分のニーズを満たそうとしているだけなんだ(だからといって、破壊的な行為を放っておくわけではないけど)。

もうひとつ、いろいろな問題があることをわかっていても変えられないのは、もしかしたら努力や意識の問題ではなく、捉え方の問題かもしれない。捉えにくいシステムを理解する=システム思考は、いろいろな問題を解決できる有効な手掛かりになると思う。僕たちが直面している問題の根源は何だろうか? 僕はそこに一番関心がある。

それから、「Be the change」=自分が理想とする人間や社会のあり方を、自分自身が日々体現することも大切。自分が体現すれば、少なくともその人にとっての社会が実現できるわけで、その「社会」が魅力的であれば、いろいろな人がどんどん集まって一緒に次の社会をつくってくれて、少しずつ活動の規模が広がる。これは僕がこれまで活動してきて実感したこと。

確かに「もうすぐ手遅れになる」とか、「もうすでに手遅れだ」とかいう話を聞くと、僕も絶望や怒りを覚える。だけど大事なのは、ティッピングポイントがどこかよりも、こうやって自分の実現したい理想を毎日体現し続けることだと僕は信じている。16世紀の宗教改革の中心人物だった修道士マルティン・ルターは、こんなことを言ったらしい。

たとえ明日、世界が滅亡しようとも、私は今日、リンゴの木を植える。

僕も、たとえ人類に絶滅の道しか残されていなくても、毎日同じような活動をし続けると思う。危機感だってあるけど、焦っちゃうと健康に悪いし、あまりいい選択ができなくなっちゃうから、なるべく落ち着いた心で、着々と、希望の種を育てていこうと思ってるよ。一緒に未来に実る木を植えていこう!

次のメッセージに行こう。

こんにちは。私はインディアンに興味があり、いろいろと調べていたところ、海さんの活動にたどりつきました。海さんの生きてきたこれまでを思うと、胸が熱くなりました。

私は現代の生活のなかでいまひとつしっくりこない感覚がしていて、何かはじめたいと漠然と思う気持ちの、足がかりになるものが、海さんの活動にあるような気がして、ワクワクしています。いつかワークショップに参加できたらと思います。(M.M)

どうもありがとう! インディアンを調べてて僕の活動にたどり着いたって、面白いね。だって僕はあまりインディアンに詳しくないから(笑)

でも、インターネット上のことだけど、こうやって僕と出会うということは、いろいろな選択の積み重ねの結果だと思う。「しっくりこない感覚」がむしろ導きの声になってくれた。しかも「何かをはじめたい気持ち」じゃなくて、もうはじまっているわけで、だからわざわざこうやってメッセージを贈ってくれたんだよね。

そうやって自分で選んだ道と、僕の選んだ道が、こういう形で交わることに、僕もワクワクしてるよ。「仲間がまたもうひとり増えた」って!

質問やメッセージはまだまだ募集しているよ。みんなからのフィードバック、待ってるね!

(編集: 岡澤浩太郎)
(写真提供: 東京アーバンパーマカルチャー)
(編集協力: スズキコウタ)

– INFORMATION –

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いかしあうデザインカレッジは、この連載でフィーチャーしているソーヤー海さんとgreenz.jp編集長鈴木菜央が2021年3月にはじめた「”関係性”を通じた地球一個分の暮らしと社会のつくりかた」を学ぶオンラインコミュニティ/学びの場です。不明確さと迷いに満ちた時代で、新しい時代の生き方を模索したい人、自分も家族も地域も地球も豊かになれる暮らし方、仕事の仕方、社会のつくり方を学びたい人はぜひご参加ください!!

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