突然ですが、みなさんは、グリーンズが学校を展開していることを知っていますか?
greenz.jpでは日々、さまざまな「ソーシャルデザイン」の事例を紹介する記事を更新していますが、グリーンズではこうしたウェブマガジンによる情報発信だけでなく、そのウェブマガジンでの学びを体験し、読者がチェンジリーダーになるきっかけを生み出す学校も展開しています。
もしかしたら、この記事を読んでいるみなさんの中には、すでにグリーンズの学校を卒業した人もいれば、「なんとなく存在は知っているけれど、どんなことをしていて、具体的に何が学べるのかは知らない」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな「グリーンズの学校」って、どんなことをしていて、どんな人が集まっているのかを卒業生の言葉とともに、ご紹介します。
グリーンズの学校って?
「なんとかしたい!」「こうだったら、いいのになあ…」そんな自分ごとの思いから始まるマイプロジェクト。ですが、どうにかしたいという思いはあっても、具体的にその思いをどのように形にすればいいのかわからず、立ち止まってしまう人も多いのではないでしょうか。
greenz.jpで紹介されているさまざまなソーシャルデザインの事例を読んで学ぶのも、活動の第一歩だと私は思っていますが、その思いを実際の行動に移したいと考えている人もきっと多いはず。そんなみなさんの思いを形にするお手伝いをするのが、「グリーンズの学校」です。
「グリーンズの学校」では、これからの暮らしを「つくる」 、これからのしごとを「かんがえる」 、グリーンズのノウハウを「まなぶ」。 この3つのテーマを軸に「ほしい暮らしも、ほしい仕事も、自分たちでつくろう」というスローガンを掲げながら、みなさんの「こうしたい」「こうありたい」思いやアイデアをかたちにする場を提供しています。
そんな「グリーンズの学校」の講師をつとめるのは、グリーンズのコアメンバーや、これまでにgreenz.jpで取材した方々。暮らし、エネルギー、働き方など多くのテーマを通じて、「ほしい未来をつくる」人の実践と工夫の積み重ねをみなさんに紹介します。
greenz.jpのライター、スタッフ、スクールの卒業生の方々が務めるファシリテーターが、クラスの案内人として、クラス全体の進行はもとより、様々な問いや体験から参加者の思いや具体的なアクションを引き出していきます。彼らの話やワークショップ、さらにフィールドワークを通して、参加者はそれぞれの「つくりたい未来」を具体化していくのです。
2016年5月現在、多くのゲスト講師やファシリテーターの方々の協力のもと、さまざまなテーマに特化したクラスを開講している「グリーンズの学校」。
ソーヤー海さんが講師の「アーバンパーマカルチャークラス」。
「みかんぐみ」竹内昌義さんの「エコハウスDIYクラス」。
(Photo by 新井由己)
greenz.jpシニアエディターのYOSH(兼松佳宏さん)が講師の編集クラス。
藤野電力が講師のオフグリッドDIYクラス。
原っぱ大学塚越さんが講師のマイプロジェクト&じぶんごとクラス。
などなど、聞いているだけでワクワクするようなクラスが目白押しです。
第一線で活動しているゲスト講師から直接お話を聞けるのが、「グリーンズの学校」の醍醐味の一つ。ですが、それだけではなく、一人でぶつかってしまいがちな課題を一緒に話し合い、新たな視点やヒントを共有できるクラスメイトとの出会いも「グリーンズの学校」で得られる貴重な宝物です。
実は私も、「グリーンズの学校」の卒業生。昨年に「編集クラス」に参加しました。編集や記事の執筆、インタビューの技術はもちろんのこと、講師のYOSHさんに投げかけられた「自分が本当にしたいことは何か?」という問いに、自分の「つくりたい未来」を見つめ直すきっかけをもらいました。
また、ここで出会ったクラスメイトは、今ではお互いに切磋琢磨しあう良きライバルであり、「ほしい未来」をともに描く仲間となっているんです。
「グリーンズの学校」の卒業生の声
「グリーンズの学校」から飛び立っていった多くの卒業生たち。 卒業生の彼・彼女たちは、実際にグリーンズの学校で何を学び、それをどのように活かして現在活動しているのでしょうか。
そこで、先日行われた「グリーンズの学校の同窓会」にお邪魔して、さまざまな卒業生の声を聞いてきました。ここからは、卒業生たちがグリーンズの学校を経てどんな変化があったのか? 今どんなことをしているのか? ぎゅっと凝縮して紹介していきましょう!
同窓会の様子。まったりとした雰囲気ながら、みなさん真剣に同窓生の話に耳を傾けていました。
まず1人目は、かつて「green school Tokyo」という名のもと、グリーンズが学びの場を運営していた頃の卒業生である高木奈津子さん。現在、長野にあるコワーキングスペース「HanaLab.」の運営に関わっています。
高木さん 将来、地方で暮らす人がイキイキできる場をつくりたいというのが、自分にとっての命題で、それが今の仕事である長野という地方でのコワーキングスペースの運営につながっています。
こうした仕事の根っこにあるのは、green school Tokyoで学んだ「誰を幸せにしたいか」という問いであることを日々感じながら活動しています。
「働くママを応援する」など、コンセプトを持ったコワーキングスペース「HanaLab.」の展開に関わっている今をイキイキと話す高木さん。
2人目は、green school Tokyoの「ソーシャルデザイン学」や、編集学校を卒業し、「IKEUCHI ORGANIC」で働いている牟田口武志さん。
牟田口さん 現在は、今の会社で、今の仕事を通じて、世の中を良くしたいという思いを胸に、安心安全なタオルをつくることなどを目標に働いています。
その中で、「普通の人をヒーローに」という目標を掲げて、働いている会社の普通の会社員のみなさんをインタビューして、その人たちの本音を記事にするという活動をはじめました。
そのような経緯もあって、「インタビューとは、お互いを見ることであり、インタビューの相手に寄り添ってついていくことである」という編集クラスでの教えを今もよく思い返します。
タオル会社「IKEUCHI ORGANIC」と編集学校という、一見接点のなさそうなところを結びつけて新たな 挑戦を試みている牟田口さん。
3人目は、3年ほど前にgreen school Tokyo「マイメディア学科」を卒業した緒方康浩さん。
緒方さん グリーンズの学校に参加し、ご縁がご縁を呼ぶようになり、ご縁の洪水に遭いました(笑)
「マイメディア学科」卒業後に、greenz.jpのライターインターンや、green Booksインターンに参加する縁をいただき、さらに、グリーンズのつながりで鹿児島で働くようにもなったり…
今は、「人との歴史を一つ一つ紡いでいきたい」という思いを胸に、柏に来てくれる人たちを増やしていこうと、柏のコワーキングスペースを拠点に動き続けています。
「グリーンズの学校」を経てご縁の洪水に遭った、というお話で多くの同窓生の共感を得ていた緒方さん。
最後は、「オフグリッドDIYコース」と「集う場づくり」の卒業生である井上豊隆さん。
井上さん みなさんとは少し違い、私の場合は、「グリーンズの学校」が自分のプロジェクトに即つながったわけではありません。
そもそも、なんらかのプロジェクトをやろうと意気込んでグリーンズの学校に参加したわけではなく、なんとなくモヤモヤしていた気分に後押しされて参加したんです。
ですが結果として、「グリーンズの学校」を通して自分のできることが少し広がったことで、自分のやりたいことがふわふわと出てくるようになり、自分の「ほしい未来」がなんとなく形になってきました。今は、自宅でのオフグリッドに少しずつ取り組んでいます。
オフグリッドDIYクラスに加えて、DIYした太陽光発電のメンテナンスを行う新たな活動の展開を語る井上さん。
明確な思いや未来を描いて「グリーンズの学校」に参加した人。
「こうしたい」という明確な未来が見えずモヤモヤを抱えていた中で、とりあえずの一歩を踏み出そうと、グリーンズの学校に参加した人。グリーンズの学校に参加してみたら、思いもかけず、道が切りひらけた人。グリーンズの学校には、志も、立場も、年齢も、さまざまな人たちが集まります。
ここに集まる人たちに一つだけ共通しているのは、「ほしい未来」ってなんだろう?とモヤモヤしたり、グラグラしたりしながら、一生懸命に考え続ける人たちであるということ。
グリーンズの学校には、「ほしい未来」をつくるためのたくさんのヒントと、かけがえのない仲間に出会うチャンスが溢れています。
みなさんも、グリーンズの学校に参加して、自分の「ほしい未来」への一歩を踏み出してみませんか?