『グリーンズ編集学校の教科書』完成!
こんにちは! greenz.jp編集長の鈴木菜央です。NPO法人グリーンズが発行する、「ほしい未来のつくり方」がわかるブックレーベル「green Books」の担当をしています。
greenz.jp は、だれでも自由に(無料で)読めることを大事にしているウェブマガジンですが、そんなメディアであり続けて、さらに発展していくために、「greenz people」という寄付会員を募集しています。現在は約400名の方にご参加いただいております、感謝!
その会員のみなさま限定で、年二回お届けしているのが「green Books」です。
第二章「企画のつくり方」
この2月に完成した最新号『グリーンズ編集学校の教科書』は、もうひとりの編集長YOSH(兼松佳宏)が東京と関西で展開している「グリーンズ編集学校」の内容を一冊にまとめたもの。
「グリーンズのそもそも」、「企画のつくり方」、「インタビューのしかた」、「記事の書き方」といった講義録のほか、greenz.jpが誇るライターさん達のコラム「greenzライターという仕事」なども盛り込んでいます。
第四章「記事の書き方」
第五章「greenzライターという仕事」
気になる? 読んでみたい? 立ち読みは以下よりどうぞ!
朝日出版社の綾女欣伸さんの感想は?
今回、感想を寄せていただいたのは「朝日出版社」の綾女欣伸さん。以前、アイデアインクで『ソーシャルデザイン』と『日本をソーシャルデザインする』を出版した際に、編集で大変お世話になりました! そんな綾女さんの『グリーンズ編集学校の教科書』を読んでみての感想は?
1977年鳥取県生まれ。編集者。大学院修了後、インディーズ音楽レーベルを経て、現在は朝日出版社に勤務。グリーンズの『ソーシャルデザイン』『日本をソーシャルデザインする』をはじめとする〈アイデアインク〉シリーズほか、Chim↑Pomエリイ写真集『エリイはいつも気持ち悪い』、武田砂鉄『紋切型社会』、鞆の津ミュージアム監修『シルバーアート』などを編集。
ウェブに日々更新されるグリーンズの記事を、『ソーシャルデザイン』『日本をソーシャルデザインする』として紙の書籍にまとめる。僕は、グリーンズの皆さんとともに「編集を編集」する機会を得ました。
書籍化にあたり、さらに気を付けたのは、「ただのいい話、で終わらせないこと」「物足りなさに甘んじる」ということでした。善意から始まる取材に、数値・データや失敗談や裏側からの視線も取り込み、リアルの皮をもう一枚剝けるかどうか、そして、濃縮された原液のような、あくまで入り口として、本を読者の継続的な行為の中に委ねられるかどうか。
……と言うと、『グリーンズ編集学校の教科書』に書かれていることと重なる気もするのですが、かなり違うのはその「言葉遣い」だと思います。
「“サシ飲み”を共有する」「マウナケアで考える」「美味しい炒飯」……。この小さな本には、編集をめぐる「新しい言葉」(新しい文脈の中に置かれた既存の言葉)がたくさん出てきます。
その中身はともかくも、そこに僕は「編集の新しい形には、それにふさわしい新しい言葉を」という意志を感じます。だから、この本に「何が書かれているか」(実践的なノウハウ)だけでなく、それが「どう書かれているか」(編集の施され方)からも、編集について考えることができるテキストになっているように思うのです。
梅棹忠夫氏が「カード」について述べた「忘却の装置」(『知的生産の技術』)、あるいは、松岡正剛氏の「情報はひとりではいられない」(『知の編集工学』)といった言葉でも、(その必要があれば)今の自分の言葉で捉えてみることで編集の新たな側面が発見できるかもしれない。
もちろん、いくら思いを抱いて、やり方を身につけたとしても、編集の実作業は土方のような地道な言葉の積み上げです。企画のプレゼンや記事のまとめ、コミュニティづくりまでもがインフレーション気味に「編集」と呼ばれる時代、僕はこの本に明示的には書かれていない(書きようがない)膨大な余白に目が向いてしまう。
……と感じたのも、この本がこうして目の前にあるからこそ。いや、形って、大事ですね。
綾女欣伸さん、ありがとうございました!
グリーンズでは、現在8月に向けてgreen Booksの次回号を鋭意製作中。次回号は「学びの場のつくりかた」をテーマに、これまで開催してきたワークショップや、グリーンズの学校の運営のノウハウをまとめた一冊になる予定です。
「green Books、ぜひ読みたい!」と思った方は、ぜひgreenz peopleへのお申込みを、お待ちしています!
ご入会の翌月には、あなたの手元に「グリーンズ編集学校の教科書」が届きます!