自分で食べ物を育てたいと思っても、アパートなどでは育てる場所がなかったり、なかなか難しいですよね。今回ご紹介する「Windowfarms」は、そんな悩みをあっという間に解決する素敵なプロジェクトです。
Windowfarmsはその名の通り、窓に取り付けることができる垂直型の家庭菜園キット。新鮮な野菜や果物を育てるために必要なのは、窓から入ってくる自然光と水、そしてオーガニックの液肥のみ。土は不要です。
現在はイチゴやレタス、エンドウ豆など12品目を栽培可能とのこと。このキットを使えば、アパートでも簡単に家庭菜園を楽しめますね。
「消費者」という意識を捨て去る、オープンソースの魅力
初期のバージョン。今とはだいぶ違いますね
このプロジェクトがユニークなのは、オープンソースで発展してきたこと。家によって窓のつくりも違うため、窓際での栽培を実現するのに多くのテストが必要でした。そこでデザインや仕組み、問題点をSNSで公開し、世界中の人たちに実際にDIYでつくってもらい、実験結果を集めたのです。約18,000人が参加し、少しずつ改良されていきました。
オープンソースの魅力を語るファウンダーのBritta RileyのTEDtalk。
オープンソースにしたことで、コラボレーションの喜びや文化が生まれ、「消費」という概念も変わりつつあるとファウンダーのBritta Rileyさんは語ります。
ただアイデアを出すだけでなく、その実験者になって応援する文化が生まれてきている。自分のアイデアが遠くの誰かによって形を変えて発展し、感謝の気持ちが生まれるのはとても素晴らしいことですよね。消費者の行動を大きく変えるには、「消費者」という意識を捨て去り、実践者を応援することが必要なのです。
現在先進国で起こっている食料廃棄などの問題は、消費者側にも責任があります。「消費」者、「生産」者と分業化を進めることで経済は発展しましたが、同時につながりが失われ、生産や廃棄の問題は消費者に認知されにくくなっていきました。だからこそ、Windowfarmsのように自分でつくってみることが、そのつながりを見つめなおすいいきっかけになるかもしれません。
さらにとれたて野菜が食べられる一石二鳥のプロジェクト。あなたも参加して見ませんか?
(Text: 中楯知宏)
[via windowfarms]