いつもと違う景色を見ると、何だかワクワクしませんか?帰り道、裏道を通ってみたらネコをいっぱい見つけたり、東京タワーのライトアップがレインボーだったりすると、それだけで日常が非日常に彩られていく感じがします。
そんな「いつもと違う」を公共の場に生み出しているのが、今回ご紹介するオーストリアの2人組「chamara rosinke」によるプロジェクト「mobile hospitality」です。
彼らが作ったのは手押しで簡単に移動できるキッチンと机と椅子。全て木製で、折りたたみ可能です。足踏みポンプで水を汲み上げたり、スパイスを育てるスペースがあったりと、細部にもこだわりが。この動くキッチンさえあれば、公共の場が即興の食卓に早変わりします。
考えてみると、公共の場って不思議な存在です。特定の誰かに属しているものではないけれども、一方でみんなのものでもある。でも「制約があるんじゃないか」と思ってしまい、あまり積極的には使おうとはしないもの。
「mobile hospitality」の狙いは、通りがかりの人たちに笑顔を届け、食文化を楽しみながらコミュニケーションをつくること。「動くおもてなし」という言葉通り、みんなのための空間が豊かになっていく仕掛けは素敵ですね。
誰もが使う公共の場。あなたならどんな仕掛けをつくりますか?
(Text:中楯知宏)
[via Co.Design]