ニューヨークにスタートアップ企業が自分たちのストーリーを語ったり、サービスを展示を行う企画が行われました。この「A Startup Store」という企画は、コンサルタントであり起業家でもあるRachel Shechtmanさん(以下、レイチェルさん)が立ち上げたばかりの店舗です。
この店舗を運営するレイチェルさんは新しい小売のスタイルを提案しています。そのスタイルとはいかなるものなのでしょうか。「A Startup Store」のこれまでのストーリーを簡単に追いながら、そのスタイルについて紹介してみたいと思います。
ニューヨークの街の一角に位置している店舗で、まず最初に店舗に並べられたのはニューヨークを拠点に活動するスタートアップたち。化粧品を定期購読できるBirchbox、女性向けアクセサリーを取り扱うBaublebar、そして生活者参加型のものづくりプラットフォームQuirkyといった、よく名前を耳にする話題のサービスが提供している商品やグッズなどを店舗に並べ、夜にはイベントを開催して、このサービスたちが数週間に渡って店舗で紹介されていました。
スタートアップの活動を知ってもらうためのお店かとおもいきや、そうではありません。この店舗を運営する レイチェルさんは、このお店のプロダクトと内装のデザインをギャラリーのように4〜6週間おきに変更し、この場をまるで生きているようなコミュニティにしていきたいと考えているそうです。スタートアップのサービスたちが紹介された後は「LOVE」をテーマとし、チョコレートや下着、花などの販売を行うようになり、それに合わせて店舗のデザインも変更しました。
実はこの店舗はβ版としてスタートしていました。店舗運営を行いながらそのアイデンティティを確立し、「A Startup Store」だった店舗の名前を『STORY』と改め、今後は4〜6週間ごとに決められたテーマのストーリーに沿った商品の陳列、内装のデザインを行っていくことを決めました。
雑誌編集のような視点を持ち、ギャラリーのようにその様子を変化させ、店舗のように商品を販売する。
これがレイチェルさんの考える新しい小売のスタイルです。売り手が、編集者のように、キュレーターのように、ストーリーを編んで商品を販売する。「共感」がますます重要視されるようになっていくことが予想される、これからの時代ではこうした店舗のあり方が注目を浴びるようになっていくのかもしれません。
コンセプトが固まりきってからスタートさせようと思っていると、なかなか身動きは取りづらくなってしまいます。彼女のようにやりたいと思ったことをスタートさせてみて、走りながら自分のやりたいことを明確にしていく、というアプローチが必要なこともあるのかも。
(via Springwise)