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【イマ・ココにあるエネルギーシフト】明治公園に6万人「さようなら原発集会」、祝島に第一号自然エネルギー発電所ほか!

市民の手によるエネルギーシフトが、勢いを増しています。
雨粒がいつしか激流となるように、メインストリームになりつつあるエネルギーシフトのイマを、まとめレポートでお届けします。

ヘッドライン
* 9月11日(日)脱原発アクションウィークスタート
* 9月14日(水)東電 電気代値上げ/会計規則の改悪案にパブリックコメント募集中
* 9月15日(木)祝島自然エネルギー100%プロジェクトの第一弾ソーラーパネル設置
* 9月16日(金)「フランスが減原発」オルタナ・オンラインが報道
* 9月18日(日) e-shiftシンポジウムに200人超参加/菅前首相が事故直後を振り返って衝撃発言
* 9月19日(月・祝)明治公園の集会に6万人 大手メディアも即日報道



* 9月11日(日)脱原発アクションウィークスタート

「定期点検で順次停止していく原発の再稼働を止めれば、来春5月にはすべての原発が止まる」を合い言葉に、最短距離での脱原発を望む人々が、全国各地でアクションを繰り広げました。
震災・原発事故からちょうど半年のこの日。11,000人が参加した新宿デモでは12人の逮捕者が。一方、代々木公園→渋谷駅前→明治通り→表参道→明治公園の車道を900人が練り歩いた第4回エネルギーシフトパレート(通称エネパレ)は、おまわりさんの先導に従ってしゅくしゅくと3.8kmを踏破。

photo by ねこみみ

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※写真をもっと見たい方はこちら

「私はどこかのNPOやNGOに所属しているわけではない、どこにでもいるOLです。3.11以降、マスコミの報道に疑問を持つようになり、インターネットやフォーラムで情報を集めるうちに、原発はいらないと思うようになりました。」

photo by ねこみみ

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というフツーのOLさんのマイクパフォーマンスが渋谷の雑踏に響きました。信号を止め、通りすがりの歩行者の足を止め、道行くおしゃれ男子に「楽しそう!知らないうちにおれらも参加してたりして」などと言わせてしまうほどのマーケティング効果を発揮。たまたま居合わせたラッピングバスは、完全にお株を奪われていました。

ニッポンのエネルギーの舵取りを担う政治的中枢:経済産業省では、脱原発を求める2000人の鎖が庁舎にぐるりとまきつきました。「官僚的」といえば、まっさきに「長いものにまかれる事なかれ主義」が思い浮かびますが、この日は、庁舎ごと長いものにまかれた格好です。この「人間の鎖」アクションは細々とではありますが、テレビ朝日や朝日、読売の電子版などで取り上げられました。マスコミ報道一覧はこちら

さらには、19歳〜22歳の若者4人が経済産業省正門周辺でハンガーストライキを開始。日々の様子を、専用サイト「未来を想うハンスト~コブシを使わず、拡声器を使わず、ただ食べずに想いを発信する~」やtwitter(#hunst
)で発信しています。

photo by ねこみみ

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このほか、鹿児島の脱原発県民集会に1300人、上関原発の新規建設問題に揺れる中国電力本社デモに3000人、神戸でのさよなら原発アクションに3000人をはじめとする63カ所で計3万8360人の市民が、声を上げました。(9.11-19脱原発アクションウィーク公式webサイトより)

「こんなにみんなが動いてるなら、私も参加してみたい!」という方は、こちらのイベントカレンダーでお近くのデモやアクションをチェックしてみてください。


* 9月14日(水)東電 電気代値上げ/会計規則の改悪案にパブリックコメント募集中

市民の発信が発信を呼ぶ連鎖の中、東京電力が2012年度から電気料金を15%値上げしたうえで、定期検査などで停止している原子力発電所の再稼働後の値下げを検討していることを新聞各社が報じました。
政府は現在、その東京電力が原発事故の賠償負担を電気代に転嫁できるようにして同社の経営をサポートし、結果的に同社が送電線や発電所などの資産を手放さずにすむことにつながる「電気事業会計規則等の一部を改正する省令(案)」の制定について、パブリックコメント
を募集
しています。締め切りは9月22日。メール添付で政府に直接意見を送ることができます。


*9月15日(木)祝島自然エネルギー100%プロジェクトの第一弾ソーラーパネル設置

原発事故の直前まで、工事を強行しようとする中国電力と原発建設を止めようとする人々の間で水際の攻防が繰り広げられていた、新規建設計画地 山口県上関町田ノ浦。今にも埋め立てられようとしていた風光明媚な浜の目と鼻の先にある祝島の住民は、一般社団法人「祝島千年の島づくり基金」をつくり、10年かけて自然エネルギー電力100%を目指しています。15日、この「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」の第一弾となるソーラーパネルが、祝島を取り上げた映画「ミツバチの羽音と地球の回転」にも登場した氏本農園に設置されました。地元中国新聞の報道によれば、1月に発足した同基金への寄付金は300万円を越えたとのこと。

ブログ「氏本農園・祝島だより」より

ブログ「氏本農園・祝島だより」より


*9月16日(金)「フランスが減原発」オルタナ・オンラインが報道

環境とCSRのナンバー1サイト「オルタナ・オンライン」が、「フランスが2025年までに原発半減予定を発表」と題し、フランスで広がる脱原発論について報じました。フランスといえば、日本をしのぐ59基が稼働し全電力の80%を原発に依存する国。「ドイツの脱原発宣言は、隣国フランスの原発あってこそ」といった声も聞かれる中、世界有数の原発国が無視できないくらいに、脱原発ムーブメントが力強いものになっているようです。


*9月18日(日)e-shiftシンポジウムに200人超参加/菅前首相が事故直後を振り返って衝撃発言

「脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会」通称e-shift(#eshift)が、9.18脱原発シンポジウムを開催しました。(アーカイブはe-shift Ustチャンネルにて。[第一部] [第二部]

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第一部では、市民からの提案として、「こう変えよう!エネルギー政策決定のしくみ(気候ネット 平田仁子さん)」「こんなにすごい!自然エネルギーの秘めた力(環境エネルギー政策研究所 松原弘直さん)」「これが市民事業!ドイツ・フライブルグの実践(フライブルグ再生可能エネルギー起業家ヨセフ・ベッシュさん)」といったプレゼンが発表され、プロ市民とも言えるリーダーたちからコアなエネルギーシフト情報が公開されました。続く第二部では、モデレーターにNPO法人ガイア・イニシアチブ代表理事の野中ともよ氏を迎え、「こうしたら作れる!原発のない日本」をテーマに参加者全員討論が行われました。

一方、この日までに共同通信のインタビューに応じた菅直人前首相は、3月11日の東京電力福島第一原発事故発生を受け、事故がどう進行するか予測するよう複数の機関に求め、最悪のケースでは東京を含む首都圏の3000万人も避難対象になるとの結果を得ていたことを明らかにしました。


*9月19日(月・祝)明治公園の集会に6万人 大手メディアも即日報道

脱原発アクションウィーク最終日。明治公園を、原発のない未来を望む市民が埋め尽くしました。3.11に行われたどのデモよりも大きな60,000の人の波。さすがに無視できなくなったのか、毎日新聞がヘリによる空撮で取材し、即日毎日jpで報道。数時間のうちに4000ツイート(20日0時現在)されました。このほか、朝日新聞産経新聞読売新聞東京新聞共同通信時事通信テレビ朝日NHKFNNTBSが報じています。

福島第一原子力発電所の事故は現在進行形です。デモ参加者の増加は、原発に頼ってきた社会の現実が、止まらない放射能汚染や健康不安の広がりとともにより重く日本全体にのしかかってきている証拠なのかもしれません。

デモの様子は、UstreamチャンネルIWJ_TOKYO1が中継し、19日14時の時点で2600人が視聴、ニコニコ動画では同時刻に16000人が視聴し、ソーシャルストリームでは脱原発への思いの共振が続いていました。
最後に、集会に登場したFoE(Friend of the earth)のドイツ代表 フーベルト・ヴァイガー氏のスピーチより、至言をどうぞ。「脱原発はできるかできないかじゃない。政治的にやるか、やらないかなのです。民主主義のもとで、脱原発を声高く訴えていく時なのです。一緒に戦っていきましょう。共に脱原発実現しましょう」 

IWJ Independent Web Journalとオペレーション●コドモタチによる「脱原発アクションウィーク完全中継プロジェクト」でこの一週間を振り返ろう。