昨年、豪クイーンズランド(Queensland)州政府が募集した「世界一素晴らしい仕事(The Best In the World)」をご記憶でしょうか?半年間、サンゴ礁の豊かな美しい南国の島の管理人になると15万豪ドル(当時の為替レートで約1000万円)の報酬が得られるという“夢のお仕事”。1名の募集に対して世界中から3万4千人以上もの人々が応募したことでも話題になりましたね。厳しい選考の末、採用された英ベン・サウスオール(Ben Southall)さんはその後、無事に半年間の任務を全うしたそうですが、このお仕事を彷彿とさせるようなユニークな求人が米シカゴで募集されました。
「Month at the Museum」は、シカゴ科学産業博物館(Chicago Museum of Science and Industry)に1ヶ月間、人を住まわせるという斬新なキャンペーン。住人は、24時間週7日勤務で、博物館の中で食事・睡眠などの日常生活を送りながら、ブログやツイッター、オンライン動画を通じて情報発信をしたり、メディア対応をしたり、科学実験に参加したりします。ちなみに、この「お仕事」の報酬として、10,000米ドル(約82万円)のほか、ノートブックPCやカメラなどももらえるそう。なかなか好待遇なアルバイトです。
もちろんご想像のとおり、この求人には、1,500名以上もの応募者が殺到。そして、このたび、米24歳の女性Kate McGroartyさんがこのユニークな仕事を射止めました。普段は、舞台アーティストとして活動している彼女ですが、大学ではサイエンスを専攻し、基本的な素養はバッチリ。また、持ち前の旺盛な好奇心や「どこでも寝られる」という長所、前向きで明るい性格が評価されたそうです。
サイエンスというと、少しとっつきにくいイメージもありますが、研究者やスタッフなど関係者でない、いわば「素人」的な視点から博物館の姿をリアルタイムに伝えることによって、より多くの人々がこの博物館やサイエンス分野に興味・関心を持つきっかけになればいいですね。なにかと「おカタい」イメージの文化・科学系スポットでの新しい広報宣伝方法としても、今後の展開が注目されます。
いよいよ10月20日から、Kateさんの任務がスタート。前人未到(?)の博物館生活の実態もさるごとながら、彼女独自の視点から、博物館の様子がどのように伝えられるのでしょうか?乞うご期待!
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