greenz.jpで紹介した「OpenIDEO」や「Blabo!」など、WEB上でオープンにアイデアを募るプラットフォームが増えていますが、今回紹介する「Challenge.gov」もその一つです。
注目したいのは、行政プロジェクトとしてアメリカ政府機関である連邦調達庁(GSA)により運営されている点。つまり、アメリカ政府が社会的な問題を解決するため、市民からアイデアを募ることを目的としたサイトなんです。
「Challenge.gov」とは、アメリカ政府が市民とともに社会的な問題の解決を図る場として9月に運営を開始しました。政府機関が抱える問題等を課題(チャレンジ)として提示し、コンテスト形式でアイデアを募集、採用されたアイデアには賞金が支払わるシステムになっています。
10月2日現在、NASAや米空軍、米国農務省など21の機関が参加、42の課題が登録されています。その内容は、専門知識を要するものから気軽に参加できるものまで多岐にわたります。例えば、以下のような課題が提示されています。
・学校で起きている問題や教育上の課題の投稿と問題解決へのアイデア
(教育省・賞金総額67500ドル)※教育関係者対象
・レーザーなどで遠隔操作できる無線送電技術のアイデア
(NASA・賞金1100000ドル)
・健康的で、かつ、子どもが喜んで食べる給食のレシピ
(農務省・賞金総額12000ドル)
・病院や保健施設に関する情報にアクセスできる、視覚情報等を用いたアプリ
(保健社会福祉省・賞金2500ドル)
・子どもたちに大統領になる方法を説明するポスターのアイデア
(GSA・賞金5000ドル)
現時点では、コンペと何が違うの?という部分もありますが、政治や社会的な問題への関心が高まる試みだと思います。市民の積極的な参加が促され、より良いアイデアや解決案が集まり、対話が生まれれば、「Challenge.gov」が単なるアイデア募集サイトではなく、アイデアを媒介とした政治参加の場となりえるのではないでしょうか。
「Challenge.gov」のウェブサイトはこちら。